君と見る桜をもう一度… (ページ19)

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純喜の鼻声が聞こえる。

この1年、苦しんできたのは俺だけじゃない。

（人1）も…そして純喜も

同じように、もしかしたら俺以上に苦しんできたんだ。

俺が…何も知らなすぎただけだった。

そんな自己嫌悪に涙を流しながら陥っていたけれど、

その後、聞こえてきた（人1）の声は

俺の想像の何倍も優しくて、悲しいものだった。

『奨くんさ…優しいんだよ。ものすごく。』

『繊細で、優しくて…優しすぎて抱え込んじゃう。なんでも。』

『私が病気だなんて言ったら…

多分、お仕事休んででも一緒にいてくれる

ごはんも家事もぜーんぶ

"俺がやるよ"って一人でやっちゃうんだよね…』

奨｢っ…｣

柱を背に足の力が抜けてきてへたり込む。

繊細？優しい？抱え込む？

（人1）だって同じくせに何言ってるの…？

『そんなんじゃ…

そんなんじゃ奨くんが壊れちゃう』

『ずっと1人で頑張ってきて、やっと叶えた夢でしょ？』

『大好きな歌を好きなだけ歌って…

みんなから愛されて…』

『せっかく奨くんが手に入れた夢…

私は壊したくない。自分のせいで…』