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奨｢（人1）！？｣
思いの外早く、力が戻ってきた足を必死に動かして（人1）の元に駆け寄った。
奨｢（人1）！？（人1）！！！！！｣
白い床に鮮やかに流れる血
そして、意識のない（人1）
骨が浮き出た肩を必死に揺さぶってもビクともしない。
純｢奨くん！！！！｣
「落ち着いて！頭打ってるから！！｣
思いっきり、純喜に後ろから引っ張られる。
看護師さんたちも通りすがりの人たちも患者さんたちも。
誰もが立ち止まって、俺らを見ていた。
けたたましくローラーの音を鳴らしながらやってきた
ストレッチャーに乗せられる（人1）
それを目の当たりにしながら、
涙が、溢れて溢れて止まらない。
何一つ間違ってはいない。
（人1）だ。（人1）なんだ。
俺の腹に抱きついて後ろから必死に羽交い締めしてる
純喜も顔を埋めて泣いている。
純｢ごめんっ…ごめん…奨くん｣
血色を失った肌。
こけた頬。
見るに堪えないほどにやせ細った身体。
（人1）…
なんでそんな格好してるの…？
ストレッチャーに乗せられた（人1）は
また、遠ざかっていく。
目に映る光景全てが辛かった。
信じたくなかった。
誰でもいいから、嘘だと言って欲しかった。
純喜のすすり泣く声と
患者さんたちのコソコソと話す声だけが
やけに大きく、廊下に響いた。
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作者名：しろごはん | 作成日時：2023年10月30日 21時
