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52. ページ10

(人1)「そこから母方の

おばあちゃんの家に住むことになったの」




「おじいちゃんは既に亡くなってたから

おばあちゃんと叔父さんと4人で暮らしてた。


学校までは遠くなっちゃって

2時間くらいかけて通ってたけど

でもお父さんがいるあの家よりマシだ

そう思えて学校に行くのも全然苦に思わなかった」






「そしたらさ、

自分でも笑っちゃうんだけど

気が抜けたのか体調崩して

不登校になっちゃったの」











「学校行くにも身体が動かなくて

いつの日かのお父さんみたいに

ずーっと部屋に閉じこもってた。」









「そしたらさ、

今度は叔父さんとの関係が悪くなった。

これも後から聞いたんだけど

叔父さんが精神的な病気持ってたんだって。

だから、感情的になるとすぐ手が出てた」








だんだん肩が激しく上下に動き始めたから

隣の彼女を自分の肩にもたれさせた。

俺の肩に頭を乗せて

彼女は話を続けた。






「毎晩、お母さん達3人が喧嘩する

怒鳴り声とか叫び声を布団の中で聞いてた。

朝起きてリビングに行ったらさ

粉々になった食器、

ヒビの入った机とか倒れたテレビ、

まるで災害に遭ったみたいな…

そんな家を一人でただ呆然と眺めてた」





ついに

俺の涙が溢れてきちゃってごめんと言えば

純喜まで泣かないでいいんだよって

彼女の小さな手で涙を拭われた。






「結局、喧嘩が最高潮に達しちゃって

"出ていけ、お前らなんか家族じゃない"

"出ていかないと殴り殺す"って言われて

"お母さんが大学時代暮らしてた場所、

綺麗だし静かだからそこに行こう"ってなって

こっちの高校を選んで引っ越してきたの」







2人で泣きながら暗い教室で語り合った日が

まるで何十年も遠い昔のようだ。

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作者名:しろごはん | 作成日時:2023年7月8日 12時

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