溢れる愛を君に2【河野純喜】 (ページ34)

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私を見つめる純喜の顔は

マスクをしていても分かるくらいに

どんどん真っ赤に染まっていく。

それと一緒に私の視界も涙に濡れて

（人1）「私で良いの…？？」

左手に輝く綺麗な指輪を視界の片隅に置いて

溢れる涙を手で拭っていれば

後頭部をぐっと抱き寄せられて

触れるだけの軽いキスを落とされる。

（人1）「なっ……」

純「何回も言わせんといて」

純「（人1）しかおらん。

（人1）じゃないと嫌や。」

いつの日かに病院で喧嘩をした時のように

おでことおでご付け合わせて

純喜は照れくさそうにそう言った。

涙で濡れた視界とは裏腹に

色んな感情がぐちゃぐちゃになって

そのまま純喜に勢いよく飛びつく。

純「わっ…」

筋肉でゴツゴツしてるけど

ちゃんと安心感のある腕に抱きとめられる。

（人1）「1年先だけど…よろしくお願いします…」

純「…こちらこそ」

身体を離して2人で笑い合った。

純「あ」

（人1）「なに？？」

突然、純喜が何かを思い出したように

大きな声を上げる。

ただでさえ声が大きくて

背も高くて目立つんだから

そろそろバレそうでヒヤヒヤする。

そう思っていたら

純喜は私の左手をとって

薬指に光る綺麗な指輪をトントンと指で叩いた。

純「向こうで浮気せんといてな」

頬を膨らませて子供のような表情で

私を睨む純喜。

可愛いからちょっとやってやろうと思い

純喜のシャツの胸元を掴んで

グッと自分の方へと引っ張る

純「ちょっ……」

（人1）「バーーーーカ」

触れるだけのキスをして

顔の目の前で思いっきり言ってやった。

真っ赤な顔がより赤くなって

今にも爆発しそうだから面白い。

純「あかん、（人1）。あと5分や。」

（人1）「えっ！？マジでやばいどうしよう！！」

場内アナウンスでいくら呼び出しても現れない私を

CAさん達が総出で探しに来てくれて

純喜とは名残惜しさも皆無で

騒がしくお別れして飛行機に乗った。