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その時だった。
純「やから仕事詰め込むな言うたやろ」
（人1）「え…！？なんで！？」
立ち上がって歩き始めた瞬間に
後ろから手を掴まれて振り返れば
いつものラフな格好に
深くキャップを被ってマスクをつけた純喜が。
（人1）「え、え！？仕事は！？」
ついさっきまで、仕事だ、来れない。
そう言ってLINEで嘆いていたのに。
驚きで固まる私の手を引いて
純喜は私を胸にすぽっと納める。
純「サプライズ、びっくりした？？」
私を抱きしめたままゆらゆらと揺れて
純喜は嬉しそうにハハハと笑う。
（人1）「そうだ、純喜ごめん
もう行かなきゃ……」
せっかく来てくれたのは嬉しいけれど
もう走って真反対の搭乗口まで行っても
だいぶギリギリな時間。
もうちょっと話していたいけれど
ゆっくりしていられない。
純「俺に1分だけ時間ちょうだい？」
私の肩を掴んで
純喜はかかんで私に視線を合わせた。
純「身体を大切に。
忙しくてもご飯はちゃんと食べて。
無理したらあかん。自分を大切に。
これだけは守って。ええか？」
（人1）「わ、わかった…」
引き止めておいてお母さんみたいなことを
言ってくるものだから面白い。
純「あと…
毎日1回は電話しよ
おはようとおやすみは絶対
美味しいもの食べたら俺に教えてや」
（人1）「ﾌﾌｯ…わかった！」
なんて可愛いお願いだ。
時間に追われながらも
照れながら言う顔が可愛いなんて思ってしまう。
純「最後に…」
純喜が私の左手を取って
薬指から指輪を外してポッケに入れる。
意味がわからなくて
ただ、1つ1つの動作を眺めていたら
私の左手には新しくて
綺麗なピンクゴールドの指輪がはめられた。
純「帰ってきたら…俺と結婚してほしい」
新しい指輪をつけた指をそっと包んで
純喜は私の顔をしっかりと見てそう言った
私の手を包む純喜の薬指にも
同じ指輪が付けられている。
純「俺、（人1）のいない1年全部かけて準備する。
（人1）と2人で最高の幸せ掴むための準備。
だから…
俺のお嫁さんになってくれませんか…？」
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作者名：しろごはん | 作成日時：2023年7月8日 12時
