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面会時間はとっくに終わってるけど
個室だからいくらでも大丈夫ですよって
看護師さんたちが気遣ってくれて
(人1)が淹れてくれたラテを2人で飲みながら
奨くんが買ってきてくれたお菓子をつまんで
お互いのこの数週間の話をした。
(人1)「えぇ、純喜って韓国人顔なの??」
純「らしいで。ワンチャン俺の前世韓国人」
(人1)「いや、ないでしょ(笑)
純日本人から生まれた純日本人じゃん」
俺がJO1の中でも
韓国で人気があるほうらしいという話で
散々盛り上がった。
(人1)は俺を韓国人顔とは思えないらしいけど。
純「(人1)は何してたん?最近」
(人1)「んー、対して何もしてないなぁ
仕事してー、家帰ってー、歩いてー、
お決まりのルーティンすぎた(笑)」
純「ほんと何の変哲もない生活やな(笑)」
「あ、でも今日病院行って車椅子外れた!
私が入院してた頃から仲良かった
看護師さん達いたでしょ?
あの人たちが
リハビリテーションに駆け込んできて
わー!おめでとー!きゃー!って(笑)」
純「おぉ、楽しそうやな(笑)」
お互いが離れていた日々の生活を
こうやってゆっくり語り合うのは心地良いし
俺らにとって大切な時間やと思う。
学生の頃に付き合うカップルは
基本、長続きしないと言われてるけど
俺らがこれだけ長く一緒にいられるのも
もしかしたら
こんな時間があるからなのかもしれない。
(人1)「うわ〜、もうこんな時間だ…
明日仕事だから帰らないと」
純「あ、そうなん?
悪かったな、こんな時間まで引き止めて」
(人1)「謝らないでよ、楽しかったもん」
純「せやな、めっちゃ楽しかった」
(人1)「ね。意外と好きかもこんなのも(笑)」
「明日も仕事終わったら来るから!」
そう言いながら
バタバタと病室を駆け回って
荷物を片付ける彼女を見てると
まるで街中で見るような
熟年の老夫婦にでもなった気分になって
さっきまで自分が見てた夢を思い出す。
(人1)「明後日は車で迎えに来るから
荷物乗せて一緒に帰ろう?」
「じゃ、また明日ね〜」
そう言って俺に背を向けて
ドアに手をかけた彼女を見た瞬間
あかん、やっぱ言いたい。
今言いたい。今じゃないとあかん。
思いが溢れてきて
気づけばベッドから飛び降りて
彼女の腕を掴んでいた。
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作者名:しろごはん | 作成日時:2023年7月8日 12時