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奨side
泣き始めた純喜の背中を押して
スタジオの真ん中に円を作って
11人で腰を下ろす。
純喜が寮を出るまで
全員で一緒に住んではいたけれど
こんな光景はかなり久しぶり。
デビュー前の韓国合宿を思い出す。
泣いて息が上がってる純喜を
皆が優しい笑顔で見守って
誰も何も言わずに
純喜が落ち着くのを待った。
隣の純喜の背中に手を置きながら見た光景が
あまりにも暖かくて
あぁ、本当に良いメンバーに
囲まれたんだなって思う。
純「奨くんからだいたいは
聞いてると思うんですけど……」
落ち着いた純喜が話を始める。
(人1)ちゃんに想いを伝えたこと
それで泣かせてしまったこと
仲直りしたこと
(人1)ちゃんの気持ちが
純喜と同じ方向を向いていること
そして、(人1)ちゃんが留学すること
これまであった全てのこと
1人では抱えきれなかった気持ち
純喜は全てを打ち明けてくれた。
純「いろいろ思うことはあるんですけど…
1番は…1番頭によぎるのは……」
言葉に詰まった純喜が
服の裾をぎゅっと握りしめて下を向く。
なんとなく純喜が言おうとしていることが
わかった気がして
隣に座る純喜との距離を狭めた。
純「結婚する以上、
世間への公表は避けられない。
しなければいけない。
それによって…俺1人の行動によって
JO1の名に傷がついたらどうしよう
皆がこの数年間
必死で築き上げてきたものを
自分が壊してしまうんじゃないか
(人1)との将来を
真剣に考えるのと同じくらい
その考えが頭に浮かんできて
グループのことを考えない日はなかったです」
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作者名:しろごはん | 作成日時:2023年7月8日 12時