溢れる愛を君に2【河野純喜】 (ページ26)

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スタジオの片隅には

さっきの撮影で使ったアクセサリーが

丁寧に並べられていて

照明の光を反射してキラキラと輝いていた。

純「お、これ可愛い」

俺は普段からめったに

アクセサリーをつけるタイプではないから

よく分からないけど

あまり見た事がない輝きをしていた

ピンクゴールドの指輪に目が止まる。

拓実が撮影でつけていたやつだ。

純「（人1）に似合うわ、これは」

控えめだけど可愛らしい輝きをする指輪が

（人1）の細くて色白な綺麗な手に

絶対似合うと思った。

純「あぁー、でもこっちもええな」

その隣に並んだ

シルバーに小さな花模様が彫刻された指輪

俺が撮影でつけたやつ。

指輪にしては繊細なデザインがすごいと思って

家で（人1）に見せようと思って

こっそり写真に収めておいた。

別に今から家に帰って

「結婚してください！」なんて

プロボーズをする訳でもないのに

目の前に並んだ綺麗なアクセサリーを見て

どれが（人1）に似合うかなんて考えてしまう。

"他の男のとこ行っちゃうかもしれないよ！"

豆に言われた一言がふと頭に蘇る。

あの時はムキになって言い返したけれど

言い返した言葉通りの自信がある訳では無い。

俺よりいい男なんて

この世に数多といるだろうし

それこそ（人1）が俺に

愛想尽かして出ていくかもしれない。

1週間前には結婚なんていいやと思っていたけれど

やっぱり俺は（人1）と

結婚したかったのかもしれないと

自分の本音が今になって表に出てくる。

純「いや、どっちも似合うんよなぁ」

（人1）はとにかく色白だから

何でも似合いそう。

ピンクゴールドの指輪とシルバーの指輪

2つを手に取って

彼女の姿を頭に思い浮かべるだけで

思わず笑みが零れそうなくらいに

心が踊る。