溢れる愛を君に2【河野純喜】 (ページ23)

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純「俺…待つで？1年。」

（人1）「え…？」

純「だから、行ってほしい。

夢、叶えて欲しい。（人1）の。」

くりくりと丸い目を大きくさせて

（人1）は俺をじっと見る。

驚いたときに出る彼女のこの表情も

やっぱり好きだな、としか俺には映らなくて

不謹慎にも俺はだいぶ重症だなと思う。

純「確かに（人1）と1年離れるのは

めっちゃ寂しい。1年は長い。」

「やけど…俺は見たいで。

やりたいことやって

今よりもっと綺麗に輝いてる（人1）」

唇を噛み締めて泣くまいと

（人1）は涙を堪える。

その姿が子供みたいで可愛い。

純「おいで」

両手を広げれば

俺の胸に飛び込んできた彼女を

ギュッと抱きしめる

純「俺を誰やと思っとる？（人1）

お前のこと2年も待っとった男やで？

1年なんて一瞬やわ」

彼女を抱きしめたまま

ゆらゆらと左右に揺れる。

腕に収めた彼女が

俺の身体をより力を込めて

ギュッと抱きしめた。

純「やからさ？夢…叶えてきて？

（人1）がアメリカで

やりたいことやってるんやって思ったら

離れてても俺、毎日頑張れるから」

俺から身体を離して

（人1）は真っ直ぐに俺を見た。

（人1）「私も見て欲しい

今よりもっと綺麗になった自分、

純喜に見て欲しい。｣

泣きながら微笑むその笑顔が

なんだかとても美しいと思える。

（人1）「私…行ってくる…アメリカ

夢…叶えてくる」

純「おう！行ってこい！！」

ひんやりとした空気が心地よい春の夜

こうして（人1）の留学が決まった。

ちなみに（人1）はお母さんに話すよりも

俺に先に話をしてしまったらしく

2人で事後報告という形で

（人1）ママに話に行ったら

それはもうびっくり仰天という顔をしていたけど

快く了承して応援してくれた。