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(人1)「お待たせ〜って


うわっ、人が話す前に見てるし…」



純「(人1)すごいなぁ、名前あるでこれ」



(人1)「まぁ、それも話したいんだけどさ…」




丁度、部屋に戻ってきた(人1)が

椅子に座って書類を見る俺を見て

嫌そうな顔をする。

今の状況で言ったらあかんかもしれんけど

そんな顔でも可愛い。やばいくらい可愛い。




(人1)「ねぇ、聞いて」


純「お、おう。近いなぁ。(笑)」




椅子に座った俺の膝と

立ってる(人1)の膝が

コツンとぶつかるくらいの距離に

勢いよく彼女はやって来たけど

なんだか話しずらさを感じて

(人1)のベッドに2人並んで腰掛けた




(人1)「まずはごめん…

何も言わずに帰っちゃって」



純「それはええ、気にしすぎ(笑)」





俺に何も言うことなしに

ただ泣きながら俺の病室を後にしたことが

彼女の中ではかなり気に病んでたらしい。



















(人1)「結婚する、家族になる

そう考えたときにどうしても昔の記憶が蘇っちゃって

目の前の純喜と向き合うのが苦しくなってた」













やっぱり思い出してたんやな、昔のこと。

10年以上も前のこと、

引きずってごめんと彼女は謝ってくるけど

あれだけの辛い過去を

ここまで背負って生きてくれてることが

とてもすごいことだ、俺はそうおもった。



















(人1)「でもね、

どんな時も傍にいてくれて

自分をこんなに愛してくれる人

純喜しかいないって気が付いて、

純喜にどう思われてもいいから

自分の気持ち、聞いて欲しいって思ったの」



















「中学生の頃、

喧嘩するお母さんとお父さんを見てたら

あぁ、愛なんてないんだなって思った。

おばあちゃんの家追い出された時にもね、

自分が家族だと思っていても

ある時急に裏切られることってあるんだ。

どんなに近くにいる人でも

信じるだけ無駄で自分が傷つく。

そう思って自分を疑いもしなかった。」



「だけど…」











ずっと正面を向いて喋っていた(人1)が

俺の方を向いた。

そして、ふふっと優しく微笑む。















(人1)「純喜に出会って全部を知った。

教えてもらったの、純喜から。

誰かを大切だと思う気持ちも

誰かを心から愛してると思う気持ちも。」











小さな左手の薬指に付けられた指輪を

(人1)は丁寧に外した。

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作者名:しろごはん | 作成日時:2023年7月8日 12時

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