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59.『空に向かって叫ぶ想いは』 ページ17

純「あかん!待って!聞いて!」





窓を閉めようとした私の手は

純喜の声によって止められる。








純「俺、思い出したんや!!」






相変わらずの大きすぎる声と

少しぎこちない笑顔で

純喜は私に向かって言葉を紡ぐ。

















純「(人1)が眠ってた時…

俺、病院の窓から空にむかって

毎晩願ってた…!」









純喜がいるのは地面

私の家は2階

それでも結構高さがあって

声を張らないと聞き取ることが出来ない。

語尾が自然と伸びてしまうから

話してて少し恥ずかしい。







(人1)「なにを??」







拡声器のように顔にあててた手を下ろして

ゆっくりとこちら側へ純喜は足を進めた。

そしてもう一度、微笑んで上を見上げる。


















純「神頼みなんて柄でもないけど!

神様、

俺は何もいらないし、

これから何も望まないから…

(人1)を目覚めさせてくださいって!!


特別なことなんて何も望まないから

(人1)の笑った顔が見たい

(人1)と笑い合える日をもう一度俺にくださいって!!」













胸が熱くなる。

出かけた涙をこらえたくて上を向いた。

純喜の声は耐えることなく

この空に響き渡る。









純「そしたらなぁ!

ほんとに(人1)目覚めてくれた!!

しかもなぁ!

めっちゃ元気になって戻ってきてくれてん!!」



(人1)「ふふっ…」




微笑んで上がった目尻から涙が零れてしまう。












純「(人1)!!!!!!」


(人1)「はい!!!!」











純喜がより近づいてきて

ほぼ、窓の真下に来た。








純「俺、これから2週間も家おれんねん!

1人なんて寂しすぎてあの家おれへん!」





「美味しいご飯、一緒に作って食べようや!

夜は映画見ながらリビングでゴロゴロしよ!

(人1)のやりたいことぜーんぶやって

(人1)の行きたいとこぜーんぶ行って

ベッドに入って2人で

くだらん話、朝までやろうで!」









大きくて切れ長な純喜の瞳も

だんだんと涙で潤んでいくのが遠目でもわかる。









純「俺は(人1)が大好きで、大切で

愛しかないねん!!」





「俺が悪かった!(人1)を傷つけた!

戻ってきて!一緒に帰ろうや!」






しまいには俺の世話してやぁ〜って

小学生の子供みたいに泣き始めた。

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作者名:しろごはん | 作成日時:2023年7月8日 12時

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