時を超えて君に…【白岩瑠姫】 (ページ4)

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10 𝑦𝑒𝑎𝑟𝑠 𝑖𝑛𝑡𝑜 𝑡ℎ𝑒 𝑓𝑢𝑡𝑢𝑟𝑒. ページ4

純｢瑠姫、練習場に落ちとったで｣

瑠｢やっべ、さんきゅ｣

純｢これ忘れるなんて相当疲れてんちゃう？｣

瑠｢やかましいわ、早く返せ俺の宝物｣

ラジオの収録前。

楽屋で原稿に目を通していれば
遅れて入ってきた純喜に投げて渡される1つのペンダント。

純｢今年で10年か…早いな｣

そんな純喜の呟きは俺らしかいない楽屋によく響き渡った。

隣に腰を下ろした純喜の視線は
俺の手の中のペンダントに注がれている。

純｢今年も行くん？｣

瑠｢あぁ、行くよ。

移動の途中で寄ってもらう。｣

10年間、肌身離さず身につけてきた(人1)の形見のペンダント。

それを落としたことに気づかなかった俺は
やっぱり純喜の言う通り疲れてるのかもしれない。

汗やメイクやらで劣化したチェーンがまるで10年前のあの日に置き忘れてきた俺の心を表しているみたいに見えて鼻がツンとした。

純｢…そんなん、(人1)に顔向けできへんで。｣

背中をバンと叩かれる。

(人1)が亡くなった10年前、
同じ高校で同じクラス、同じ部活だった純喜。

俺と(人1)のことを昔からよく知っている唯一の人物。

恥ずかしいから口にしたことはないけれど、
こんな感じで(人1)が亡くなってから純喜の明るさに助けられたことは数知れない。