時を超えて君に…【白岩瑠姫】 (ページ19)

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𝐵𝑒𝑐𝑎𝑢𝑠𝑒 𝑜𝑓 𝑦𝑜𝑢… ページ19

瑠「いや、わかんねぇよさすがに…」

校舎に入って頭を抱えた。

目覚めた部屋のカレンダーが正しいとすれば

今は10年前。つまり高校3年。

そして文集の記憶の限りでは2組。

だけどさすがに、校舎の造りと自分の出席番号までは忘れていた。

どこにしまったらいいかもわからない外履きをカバンに隠して校舎を彷徨う。

かなり視線を感じるなと思って辺りを見渡せば
どうやら自分は1年生のフロアにいるようで、
教室の中から初々しさの残る表情の子供達が
珍しいものを見るような面持ちでこちらを見ていた。

担「白岩ー？なにしてんだこんな所で！」

自分に注がれる視線がなんだか痛く感じられて、
行く先もわからず逃げるように足を踏み出したとき
背後から聞き覚えのある声で名前を呼ばれた。

瑠「…先生！！」

高３のときの担任、田中先生。

俺らの親世代くらいの年齢で昔から親しみやすかった。

それこそ最近は行けてなかったけど、
JO1としてデビューしてからも連絡を取りあっていて
たまにご飯にも行くくらいの仲だった。

10年前には
(人1)の葬儀に一緒に出席してくれたし
(人1)が亡くなってから抜け殻のように毎日を過ごす俺に純喜と共に寄り添ってくれた。

学校が好きだったか。
そう聞かれれば多分俺は首を横に振る。

だけど、
この先生がいなかったら今の自分は無い。
そう思えるくらいの恩師だと
目の前の先生を見て改めて実感する。