時を超えて君に…【白岩瑠姫】 (ページ17)

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𝑌𝑜𝑢 𝑙𝑖𝑔ℎ𝑡 𝑢𝑝 𝑡ℎ𝑒 𝑑𝑎𝑟𝑘𝑛𝑒𝑠𝑠. ページ17

『どうしたの？朝からそんな慌てて珍しい』

不思議そうに首をかしげる彼女

そりゃそうだ。

もとからテンションが高いわけでもない上に
朝にも弱くて
大抵、無口になる俺。
こんなに叫んでたらそれは誰でも驚くだろう。

でも、そんなことを考えながらも
頭の片隅、というより本能でこの家に(人1)を入れるのは危険だと思った。

怒鳴り声と悲鳴。
部屋の外がどうなってるか分からなくたって、その2つだけでもこの家が普通じゃないことくらい容易に想像できた。

瑠「す、すぐ追いつく！先行って！｣

とにかく(人1)をこの家から少しでも遠ざけなければ。

まだ遠目にしか目にしていない彼女の姿。

だけどそれでも愛おしかった。

「瑠姫」って
どんな暗闇でさえも光で照らしてくれるようなその声で
俺を呼んでくれる彼女をもう一度守りたかった。

『えぇ、一緒行こうよ！

手伝えば早く終わるって！』

そう伝えると、子供のように飛び跳ねて駄々をこねる。

頼む、早く逃げてくれ。

玄関から、窓から。

とにかくどんな人物が
この家のどこから出てくるかわからない。

でも、それを彼女に伝えることは出来なかった。

瑠「お前まで遅刻する訳にはいかないだろ」

「ほーら、間に合わないぞ！！」

そう急かせば、手元の腕時計に視線を落とす(人1)。

本当に時間が迫っていたようで、頬を膨らませながらもそそくさと走って去っていった。