時を超えて君に…【白岩瑠姫】 (ページ16)

今日:4 hit、昨日:17 hit、合計:6,179 hit

𝐼𝑡'𝑠 𝑙𝑖𝑘𝑒 𝑡𝑖𝑚𝑒 ℎ𝑎𝑠 𝑠𝑡𝑜𝑝𝑝𝑒𝑑. ページ16

『ちょっと！

なんでまだパジャマなの！？』

遠目でも分かるくらいに目を大きく見開いて

ぎょっとした顔で俺を見つめる。

(人1)だ。

(人1)が生きている。

あの優しくて朗らかな眼差しが、俺を捉えてる。

なんで！とバタバタ1人で騒いでいる(人1)を他所に
俺は身動き1つ取る事が出来ない。

そんな俺を見計らったのか、
またもやしびれを切らしたのか
(人1)はまた、声を上げた。

『もう！準備手伝うから！玄関開けて！』

意を決したように風を遮る電信柱の影から足を踏み出して(人1)は家の玄関へと向かおうとする。

そんな彼女を見てやっと、
縛りが解けたかのように身体も頭も動き始めた。

その時ふと、額を伝った一筋の冷や汗。

鮮明に蘇るけたたましくドアを叩く音と怒鳴り声。

そして悲鳴。

俺は窓から身を乗り出して精一杯声を張り上げた。

瑠「待て(人1)！！！行くな！！！」

玄関へと続く石畳に肩足を踏み入れた(人1)が
動きを止めて再び俺を見上げる。

その瞳に小さく映し出された自分の姿を見つけた時こもっていた力がやっと抜けた気がした。