時を超えて君に…【白岩瑠姫】 (ページ15)

今日:23 hit、昨日:17 hit、合計:6,198 hit

𝑇ℎ𝑒 𝑖𝑚𝑎𝑔𝑒 𝐼 𝑘𝑒𝑝𝑡 𝑤𝑖𝑠ℎ𝑖𝑛𝑔 𝑓𝑜𝑟… ページ15

瑠「………嘘だろ？」

胸に浮かぶこの思いがちゃんと声になっていたのかと聞かれたらわからない。

だけどこの静寂によく響く自分の声。
やけに大きく感じられた。

半開きになった窓から吹き込む風になびくカーテンに手をかける。

もしかしたら…いや、絶対。
聞こえるこの声、間違えるはずがない。

見たかった。でも怖かった。
目にしてしまえば異世界にいる今の自分の存在を自分で証明しているように思えて。

でももう1度、もう1度だけでいい。

この目に映る夢か現実かも分からない世界の中で神頼みのような気持ちで窓を開けた。

瑠「(人1)………！」

制服から垣間見える色白の手足

冬風に揺れる長くて綺麗な黒髪がより一層彼女を美しくさせる。

電信柱の影に風から逃げるように立って

寒そうにマフラーに顔を埋めてこっちを笑顔で見上げるのは

俺が10年、愛し続けた(人1)だった。