QuizKnock"ライター"の伊沢です ３

Side：Takushi . Izawa ページ5

伊「えっと……川上……？」


隣で急に立ち上がった川上に驚き、見上げながら名前を呼ぶ。


川「なんですか？」

伊「どっか行くの……？」

川「Aと買い物です」


当たり前のようにそう言い放った川上は皆の視線を集めながら扉へと歩いてドアノブに手をかけた。


川「A、行かんの？」

「行きます！ それじゃ、行ってきます！」


手を振りながら出ていく挨拶のきちんとできる偉いAに｢いってらっしゃい｣を伝え、玄関のドアの閉まる音が聞こえたあとすぐにテーブルの方へ視線を戻した。


伊「え!? 川上とAってそんなに仲良かったっけ!?」


俺がそう言うとこうちゃんや山本、須貝さんも口を開きその場がわちゃわちゃとする。

プロデューサー組は何故か落ち着いている。いつも基本落ち着いてるけど。


こ「川上さんがあんなに率先して買い物ついて行くことありますっけ!?」

山「さっきも2人で事務所帰って来ましたしね！」


俺は川上がAのことを好きなのは知ってるし川上にならあげてもいいよとか言う少女漫画の過保護キャラが何故か簡単にヒロインとの恋愛を許すみたいなセリフ言ったけど！

まさかそんな短時間で付き合うわけないしAは恋愛下手だからすぐにはくっつかないだろうし今回の川上率先してAの買い物に付き添った事件は解決しなければならない。


伊「川上率先してAの買い物に付き添った事件の要点をまとめる」

福「既に事件名で要点まとめられてるけどね」

山「でも川上さんAちゃんに甘い時たまにありましたよね」

こ「まぁ、そう言われてみればAちゃんの買い物に付き合ったのも別におかしくないか」

伊「付き合ったとか、あんま言わないで」

須「ナイーブな受験生か」


開始数分にしてもう飽きてきている山本達は気にせずに俺は推理を進める。

考えられる可能性は川上がAのことを本気で狙い始めた。これが1番可能性が高い。

1番低く最悪で俺が個人的に考えたくないのが、既に付き合っている……という事。ありえないけどね。ありえないけど一応可能性がある限りは考える必要がある。


伊「……付き合ってたらどうしよう」

須「うわ、伊沢くんえらく落ち込んでるけど」


テーブルに上半身を倒す。ひんやりしてる訳ではないけど落ち着く。


河「聞いてみたらいいんじゃない？」

伊「……誰にですか」

河「そりゃあ当人でしょ」


軽く言ってくる河村さんを軽く流し、そわそわしたまま2人の帰りを待った。

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