QuizKnock"ライター"の伊沢です ３

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「川上さん？」


喋っている間、というか今も頭に手を乗せたまま何故かニコニコしている。

名前を呼ぶと大きく手を動かして頭を雑に撫でると満足そうに頭から手を離す。

触ってないけど自分の髪がボサボサになったな、というのはなんとなくわかる。


川「昨日はありがとな」

「いえ、私がやりたくてやったことですから!!」


どうして頭を撫でられたのか不思議に思っていると川上さんは私の目をしっかりと見てお礼を言う。

……鶴崎さん多分これ看病イベント達成です。


川「スマホのアラーム勝手に止めたんやけど大丈夫やった？」

「あ、大丈夫です！ それで起きちゃったんですね……すみません……」

川「いつもこのくらいの時間に起きとるからええよ」


どんなに生活リズムを整えても起きる時間が習慣づかないので毎日目覚ましをかけてるせいで川上さんを起こしてしまったらしい。

眠くなって座ったまま寝て朝になっちゃうあたり生活リズム整ってない気もするけど。


川「今日は講義は？」

「ないです！ いやあるんですけど単位余裕あるし教授もそんなに大事な話はしないって言ってたんで今日はお休みです」

川「小宮山教授っぽいな。言いそうやわ」


｢でもええの？｣そう言いながら再度頭を撫でる。さっきと違うのはボサボサになった髪を整えるように髪に指を通しながら優しくゆっくりと撫でてくることだ。

なんか……デレ度と言っていいのかわからないけどデレ度高くないですか？ 溶けそう。


「いいんです。川上さんと一緒にいたいんで……え!?」


自分の口から出た言葉に驚く。風邪が治りきったかどうかわからない川上さんを1人にするのは心配だったし、一緒にいたいとも思っていたけど自然と口から出てしまうとは思わなかった。


川「なんでAが驚いとるん。……嬉しいけど」


手を私の頭の上で軽く2回ポンポンと弾ませると川上さんはベッドから立ち上がる。


「大丈夫ですか……？」

川「ん。昨日と比べたら体も軽いし、平気」


額の上で乾燥した熱さまシートを取りゴミ箱に捨てる。


川「Aお腹すいとらん？」

「……言われてみれば空いてます。川上さんは朝ご飯どうします？ 普通に食べられますか？」


少し考え、口を開く。


川「いきなり食べ物入れて気持ち悪くなったらあれやし、残ってるお粥食べてええかな」

「いいですよ！ ……え、でも2日目のお粥って大丈夫なんですかね」


置かれたスマホを手に取り、調べてみることにした。Google様様だ。

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