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少し間をあけて私が考えていることに気づいた水上さんがまた溜息をこぼす。
2度目のため息は……心に来ますよ……!!
水「本当にわかんないの?」
「はい、全く」
水「嫉妬って言葉知ってる?」
嫉妬……? 主として何かを失うこと、または個人がとても価値をおくものを失うことを予期することからくる懸念、怖れ、不安というネガティブな思考や感情に関連した言葉……?
「流石に知ってます」
水「俺とAちゃんが相合傘で歩いている」
水上さんが事実確認をするように現状を口に出す。
「? はい。え、あ、それに川上さんが嫉妬するってことですか? なんで?」
1度頭の中を整理し水上さんの言葉をわかりやすくまとめていくと多分そういう事だ。
水「そりゃあ、彼女と男が相合傘してたら嫌でしょ」
「でも友達じゃないですか。友達と2人で1本の傘を使うのはダメなんですか?」
私がそう言うと水上さんの顔が何言ってんだこいつの顔になる。そんなにおかしい事言ってますか……?
水「友達なの?」
「……え! 友達じゃなかったんですかすみません……」
水「いや、逆に俺の方が友達じゃないって思われてるもんだと」
「全然です! だって一緒にクイズしたじゃないですか!」
水「そんなこと言ったら俺相当な数の友達がいるんだけど」
確かに。高校生クイズにも頭脳王にも出てたんだから私の理論だととんでもない数の友達がいることになる。
「じゃあ友達じゃないかもしれません……」
水「俺らは友達でいいよ」
「いいんですか!」
水「うん。だから川上に怒られそうになったらAちゃんが弁明してね」
「弁明……? わかりました」
川上さんが怒る理由は私の中でまだハッキリしていないが水上さんが満足そうな顔をしているのでこの話は終わることにした。
図書館からオフィスまでの道のりは意外と長くて、けどその間水上さんが話題を出してくれたり私が色々質問したりして感覚的にはすぐだった。足は疲れてるけど。
水「はい、着いた」
「ありがとうございました!! このお礼はいつか、なんか、何かしらの形で!」
水「超曖昧じゃん。楽しみにしておくね」
最後まで濡れないようにと気遣ってもらい、私が玄関に入るまで傘をさしてくれた。
私は玄関の中から扉を開けながら、水上さんは傘の中からお互いに手を振る。
「お疲れ様でーす!」
伊「あれ!? A傘持ってたの?」
私が部屋に入ると拓司が目を丸くしながらこっちを見てそう言った。
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ショコラ(プロフ) - Rukaさん» はじめまして!私も誰かと共通点があると嬉しいです!宇治原さんは伊沢さんが憧れるほどのクイズプレイヤーですもんね……!!この作品を読んでいただきありがとうございます!頑張ります! (2019年8月23日 14時) (レス) id: ce9cfeac66 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 松宮カナメさん» はじめまして!コメントありがとうございます!優しいお言葉ありがとうございます!!これからは「更新されてない?おかしいなぁ」くらいには更新ペースを上げたいと考えてはいますので応援コメントを糧にもっと頑張りたいと思います! (2019年8月23日 14時) (レス) id: ce9cfeac66 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - ゆみさん» コメントありがとうございます!!占ツクナンバーワンですか!?ライター伊沢占ツクナンバーワン!!とても嬉しいです!たくさんある作品の中から私のこの作品を読んでいただきありがとうございます!!完結まで頑張りますので応援よろしくお願いします! (2019年8月23日 14時) (レス) id: ce9cfeac66 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - ぽぽにょさん» はじめまして!そんなこの作品がまだまっさらな時から応援していただけていたとは嬉しいです!更新ペースは当初に比べると落ちまくりですが頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2019年8月23日 14時) (レス) id: ce9cfeac66 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - しぐれさん» ありがとうございます!!最近は夜の更新が多くなっている&更新しない日が多くなっているということで生活習慣から外れてしまっているかも知れませんがこれからも見ていただけると嬉しいです……!! (2019年8月23日 14時) (レス) id: ce9cfeac66 (このIDを非表示/違反報告)
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