女の独白 始まりから終わりまで ページ2
今まで、沢山の人に囲まれ愛されてきた。
整った顔立ちと可愛い声に丁度いい背丈。秀逸な頭脳に由緒ある家。
完璧な私は、愛されるべき存在だった。
そんな私が高校生の時に出会ったQuizKnockと言う存在。高学歴で顔のいい人達。
私がこの中に入れば誰もが幸せになれる。そう思っていた。
そのために父の薦める大学を蹴ってこの大学に入学した。するとどうだろう。瞬く間に文科三類に可愛い子がいると噂になった。
……ただ、それは私のことではなかった。
伊沢A。名前を聞いた時は嫌な予感がした。その予感は当たってしまった。
あの伊沢拓司様の従姉妹。そんな漫画みたいな、創作のような設定の女が私の同級生だなんて思ってもみなかった。
それだけなら良かったのにあろう事かQuizKnockのライターとして活動し始めた。
記事も書き始め、動画にも出て、イライラが止まらなかった。
その女は大学でもずっとニコニコして、周りには人が沢山いて、少し歩くだけで視線はその女に集まりっぱなし。
蹴落としてやろうと思った。
どれだけSNSでアンチテーゼを繰り返しても気にする様子もなく、友達に笑いながらオフィスであったことを話す。
直接話してみると「可愛い!」と、第一声。なんの嫌味かと思った。私が可愛いのは当たり前だ。けど、今人の視線を集めているのはお前なんだ。
フワフワした面倒な喋り方の女子を演じた。すると私の服みたいに顔を緩めながら話してくる。
一緒に構内を歩いていると拓司様と川上さんに会うことが出来た。ただ、一目でわかった。川上さんは伊沢Aが好きなんだと。
その事実に気づいてしまった時にはまた、イライラが募った。
鎌をかけてみるとどうやら伊沢Aも川上さんが好きらしい。
壊してやりたい、その考えが私を動かした。
あいつを盾に川上さんを揺するとすぐに反応した。面白いくらいに従順だった。
今度はあいつの顔が歪む瞬間が見たくて嘘をついた。けれど、目を見開いたのは一瞬ですぐにあのニコニコとした笑顔に戻る。
次に本心を伝えた。そしたら表情が曇った。心に刺さっているんだなと思うと高揚感に包まれてその場を後にした。
そんな事をしても私が周りに愛される訳もなくて、面白くなくて、川上さんに全てを伝えた。
コンビニで会った伊沢Aにも全部話した。包み隠さず。
イライラとつまらなさしか残っていない自分が愛せなかった。
お姫様になりたい、愛されたい。それだけの私は……笑えているだろうか。
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ショコラ(プロフ) - Rukaさん» はじめまして!私も誰かと共通点があると嬉しいです!宇治原さんは伊沢さんが憧れるほどのクイズプレイヤーですもんね……!!この作品を読んでいただきありがとうございます!頑張ります! (2019年8月23日 14時) (レス) id: ce9cfeac66 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 松宮カナメさん» はじめまして!コメントありがとうございます!優しいお言葉ありがとうございます!!これからは「更新されてない?おかしいなぁ」くらいには更新ペースを上げたいと考えてはいますので応援コメントを糧にもっと頑張りたいと思います! (2019年8月23日 14時) (レス) id: ce9cfeac66 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - ゆみさん» コメントありがとうございます!!占ツクナンバーワンですか!?ライター伊沢占ツクナンバーワン!!とても嬉しいです!たくさんある作品の中から私のこの作品を読んでいただきありがとうございます!!完結まで頑張りますので応援よろしくお願いします! (2019年8月23日 14時) (レス) id: ce9cfeac66 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - ぽぽにょさん» はじめまして!そんなこの作品がまだまっさらな時から応援していただけていたとは嬉しいです!更新ペースは当初に比べると落ちまくりですが頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2019年8月23日 14時) (レス) id: ce9cfeac66 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - しぐれさん» ありがとうございます!!最近は夜の更新が多くなっている&更新しない日が多くなっているということで生活習慣から外れてしまっているかも知れませんがこれからも見ていただけると嬉しいです……!! (2019年8月23日 14時) (レス) id: ce9cfeac66 (このIDを非表示/違反報告)
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