タラシ女子、可愛い子が好きです【今日から俺は！！】

14話 落ち込んだ ページ14

理子ちんと私が屋上に向かうといとぅと三橋は2人で椅子に座って既に待っていた。
昨日より屋上が近かった気がするのは気のせいだろうか。

「Aちゃん、ちゃんと話して！」
「だから何の話だよ」
「Aちゃん何かしたの？」

いとぅ、三橋、理子ちんの順番で話しかけてくる。
私は今日の朝もよく眠った事、後ろから話しかけられて振り向いたらカツアゲされかけた事、同じ制服を着た生徒2人が助けてくれた事、今日の放課後その2人にお礼をする約束している事を詳しく話した。

「Aちゃん成蘭の生徒に絡まれたの!? 怪我は!?」
「してない！ 殴られそうになったけどその2人が助けてくれたの！」
「よかった〜！」

いとぅが安心したような顔を足をバタバタとする。可愛い〜！

「……その2人ってもしかして」
「もしかして、だよな」

理子ちんと三橋が目を合わせて頷く。きゃー！ やっぱり付き合ってるー！ みつりこじゃーん！

「知ってる人なの？」
「ん、いや……名前、聞いたのか？」
「聞いた！ 早川京子さんと川崎明美さん！」
「えっ」
「やっぱり……」

私が名前を教えるといとぅは目を見開いて驚き三橋と理子ちんは納得したような顔をする。
あ、そういえばいとぅの彼女が"京子ちゃん"だったはず。もしかして早川さんなのかな。可愛くてかっこいいスケバンだったから納得。

「京ちゃん……」
「三橋……私余計な事言った？」
「今回は言ってねぇな」

言ってなかった。よかった。でもいとぅは落ち込んだようにブツブツと何かを呟いたまま顔を下げている。

「いとぅ？」
「Aちゃんいいのよ」
「んー、うん」

理子ちんが顔の横まで弁当を持ち上げて首をかしげて｢お弁当食べましょ？｣と言ってくれる。いとぅは落ち込んだまま。

「なぁ、京子ちゃんと明美ちゃん放課後来るんだよな」
「ん？ うん。そうだよ」
「その時に確かめてみればいーんじゃねーの」
「おう……」

いとぅがしょんぼりとしている原因は多分だけど私が言ったこと。どれに落ち込んでるんだろ。

「む……」
「頂きー！」
「あぁぁ！ 三橋が私のウインナー食べた！」
「Aが油断してっからだよバーカ！」

ダチだと宣言した途端すごい罵倒してくる！ 全然おあいこじゃない！

「三橋、Aちゃんに意地悪すんなよ」
「いってぇ！」

三橋が頭を抑えてしゃがみこむ。いとぅがゲンコツしたからだ。

「いとぅー！優しいー！」
「そんなことないよ〜！」

よかった。いつもの感じに戻ったっぽい。

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