タラシ女子、可愛い子が好きです【今日から俺は！！】

13話 話題になってる ページ13

バンッという音とともに教室の扉を開ける。目の前には椋木先生。
すごい、私狙ったかのように椋木先生の授業の時に着くじゃん。

「おはようございます！」
「うん、おはよう橋本。元気で何よりだ。座れ」
「はーい。今何時間目ですか？」
「今は4時間目だな。明日は遅刻するなよ？」
「はい！」

席に向かう時に聞こえてきた｢むっくん橋本さんに甘すぎない？｣｢橋本さんやっぱりツッパリなんだ……｣という声。私ツッパリとかじゃないんですよ。寝るのが好きなだけで。椋木先生が私に甘い理由は知らないけど。

「おはよ、いとぅ」

席に着いて小声でいとぅに話しかける。椋木先生の授業でも流石に大きな声だと怒られるからね。

「おはようAちゃん。今日もよく寝たの？」
「うん。あとなんかスケバンに絡まれた」
「えぇ！」

いとぅが大きな声を上げる。やばいやばい、椋木先生こっちを向いてにっこり。逆に怖いやつだ……。

「伊藤、橋本と話すのが楽しいのはわかるが静かにしろよ」
「す、すいません」

教室が笑いで包まれ一気に賑やかになる。三橋の方を見ると笑ってなかったけど。むしろいとぅを睨むようにこっち見てたけど。

「昼に、詳しく聞かせてね」
「わかった」

また、昨日のメンバーで屋上に行けるってことだ。やった。しかも早川さんと川崎さんに助けてもらった話もできる。
私が登校した時間がギリギリだったのかすぐにチャイムが鳴る。椋木先生が日直に号令をかけさせて授業が終わった。

「よぉよぉ、お2人さん今日も仲良しですねぇ！」

三橋が私といとぅの方に手をポケットに入れて肩で風を切るように歩いてくる。

「詳しく話して？」

いとぅはそれを無視するように私に話しかける。あー、三橋またビーバーみたいな顔になってる。

「屋上行こうよ！」
「……そしたら話してくれる？」
「うん！」
「何の話だよ」
「屋上行ったらね！」

三橋といとぅを先に行かせて私は理子ちんを呼びに行く。確か5組だって言ってた。

「りーこちん！」

5組の教室の扉が開いていたのでそのまま理子ちんの名前を叫ぶ。
すると教室にいた全員がこっちを向く。すると｢マブイ｣｢遅刻転校生ってあの子じゃない？｣などと聞こえる。待って、誰だよ私が三橋といとぅのすぐあとに転校して来たから目立たないとか言ったやつ。めっちゃ話題になってる。

「Aちゃんどうしたの？」
「屋上行こ！」

私がそう言うと｢ちょっと待ってて｣と言いお弁当を持ち駆け寄ってくる。可愛い。

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