タラシ女子、可愛い子が好きです【今日から俺は！！】

2話 可愛いの集団 ページ2

「はーい。じゃあ早速俺からね」

クル金、三橋と呼ばれた人が手を挙げながら勢いよく立ち上がり私の方を見つめている。

「彼氏は……いま、すか？」

三橋は言葉の一区切り一区切りにポーズを取りながら質問をしてきた。ちょっとポーズかっこいい。

「三橋、時間は取らな」
「いません」
「そうですか！ ありがとうございます！」
「あ、無視していく感じなんだ」

私が答えると三橋が勢いよく座る。なんだこの人勢いよくじゃないと行動出来ないのか？ ……今のは口には出ていなかった。
すると三橋に続くように次々と手が上がる。

「ちょ、皆手下げて！ 時間取らないから！」

椋木先生が教室に響き渡るように叫ぶと皆の手が渋々下がる。

「はい、じゃあ橋本は席について」
「はい」

トゲ主の隣に向かい席につき、気になっていたトゲ主の方を向く。

「よろしく」

私が声をかけるとトゲ主はこっちを向いてニコッと微笑み｢こちらこそよろしく｣と右手を差し出してきた。

「え、かわ、ちょっ、ひえっ」
「Aちゃん？」
「まっ、下の名前呼び!? 初対面で!? 尊……」
「嫌、だった？」
「あっ、ごめんなさい。違うんです。よろしく……えっと……伊藤くん？」

語彙力が喪失した私を見ても伊藤くんは手を引かなかったので急いでスカートで手を拭き、手を握る。握手。なにこれ可愛い

「そう。伊藤、伊藤真司」
「へぇー、真司？ 健太郎って顔してるのにね」
「え？」
「ううん！ なんでもない」

私達は握手を解き少しお喋りを続けた。するとすぐにチャイムがなり椋木先生の授業の終わりを告げる。早いな……可愛い人が隣にいると時間が過ぎるのが早くて助かる。

「おい！ 伊藤！ なにお前早速仲良くなってるんだよ！」

伊藤くんの後ろから現れたクル金こと三橋。めっちゃ短ラン。
伊藤くんは面倒くさそうに後ろをむく。可愛い

「隣なんだから当たり前だろ。ねー？」

またこっちを向いて首を傾げて聞いてくる。可愛い死ぬ。

「うん！ えっと、」
「俺の名前は、みつ」

三橋くんが自己紹介しようとするとふと後ろからいい匂いと可愛い声がした。

「さーんちゃん。2時間目凄く3組が騒がしかったけど……あ、伊藤ちゃんの隣の席埋まってる！」

三ちゃんと伊藤ちゃんの呼び方は可愛くないと許されないぞ大丈夫か？ そう思い声のした後ろを向く。

「はっ、天使……」
「？」
「あ、えっと、橋本Aですっ」
「転校生？ 赤坂理子って言います。よろしく！」

何この学校可愛いの集団？

3話 幸せになって→←1話 遅刻転校

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す