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「こいつの寝坊がその″時差ズレ″って言うなら、
お、俺が寝坊したのは？？」
エースが口を挟むと、学園長は「それはただの寝坊です」と笑い返した。
「やはりエース、君は寝坊だったんだね」
「ぎゃ！？寮長さっきまで泣いてたのにペンなんて構えないでくださいよ！？」
2人の声を遠くで聞きつつ、学園長はさらに話を続ける。
「そのまま″時差ズレ″を発症し続けてしまったらあなたは永遠に眠りについてしまう。
あなたは、あなた自身を救うためにも魔法使いになるべきなんですよ」
「学園長、そこまで言うならAちゃんの事を最初から魔法使いにしてあげればよかったんじゃないの？」
あたしを優しく支えつつ、ケイト先輩が話返す。
「Aが、魔法使いになることを拒否すると言う選択肢を潰すためです。
このペンダントをつけさせてしまえば自動的に魔法使いにさせられるし、伝えなければそれすら分かりませんからね。
申し訳ありませんが、確実的に魔法使いに仕立て上げるためにはこうするしか思いつきませんでした」
…な、なるほど、そこまでしてこの先生はあたしを魔法使いにしたいのか…。
「どちらにせよアズール君に頼んで転生魔法陣は完成します。
そのペンダントも効力を発揮するまで外すことは出来ませんよ」
学園長はそういうとあたしに優しく笑いかけた。
「さぁ皆さん、とりあえずはこの荒れた中庭の掃除に取り掛かりましょう？
Aは疲れていると思いますから自分の寮に帰ってゆっくり休んでください。
死ぬわけではありませんから、落ち着いてくださいね」
学園長の大きな手があたしの目元を隠す。
その途端に急な眠気に襲われ、あたしは意識を手放すことしかできなかった。
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作者名：あやぽん | 作成日時：2020年4月18日 19時
