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「…学園長、先生…」
「このおたんこなす学園長！！！なんてものをAに付けたんだゾ！！」
グリムが学園長に飛びかかるが、先生はそれをスルリと避けた。
ベダン！…と顔面から地面へダイブするグリム。
ちょっと、いやかなり痛そう。
「いやぁ、さすがは逸材の魂、とでも言うところでしょうか」
「おい学園長！こいつのペンダント外せよ！」
エースはそう言って学園長を睨む。
しかし学園長はそんなエースすらも通り越して、あたしの肩に手を置いた。
「人間の世界で生きる事をやめて、
我々と共に
＿＿＿＿＿魔法、使いとして、生きる
「こいつにだって元いた自分の世界があるんだぞ！？」
デュースはそう言って学園長に掴みかかる。
「皆さん、何をそこまで必死になる必要があるのですか？
皆さんだってAがこちらの世界に居てくれた方が嬉しいとは思いませんか？
我々もAの才能を無くすのは惜しい。
それこそこちらの世界に＿＿
＿＿＿閉じ込めてしまいたいほどです」
狂気的な何かを感じ、あたしは思わず身構える。
＿＿…もう逃がさない
＿＿…閉じ込めてあげる、永遠にね。
＿＿…お前のこと愛してるのは俺だけだから。
＿＿だ、誰だっけ？
凄く怖い思いをしたはずなのに、肝心な部分が思い出せない。
学園長はあたしに付けられたペンダントを手に取る。
「ここまで真紅に染まったこのペンダントを見るのは初めてです。＿＿やはり貴方を魔法使いにするべきですね」
学園長に捉えられたあたしのペンダントは、更に赤みを帯びていく。
頭がクラクラする。
あたしは支えてくれているケイト先輩に寄りかかることしか出来ない。
「大丈夫ですよ皆さん、確かにこの子は感情を失いますが、＿きっとどうにかなりますから」
彼はそう言ってあたしの頬を掴んだ。
ムグッと両頬を片手で掴まれ、顔を無理やり学園長の方へ向けさせられる。
「…瞳の色も黒色から少し赤くなっていますね。
貴方が毎日寝坊してしまっていたのは、この世界とあちら側の世界の時差によるものです。
いわゆる″時差ズレ″は、治すには貴方がこちらの世界の住人になるしかない。」
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作者名：あやぽん | 作成日時：2020年4月18日 19時
