【ツイステ】あ～も～だからダメなんだってば！！！！！ (ページ5)

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「………あぁ、本当は僕はきっと＿＿＿」

寮長の瞳から大粒の涙が落ちる。

「誰かに、自分を分かってもらいたかった。

ルールで縛れば縛るほど、みんなの気持ちもわからなくなった。

正しいことをしているはずなのに、何も上手くいかない。

だけど、ルールは″絶対″だから、僕はその通りにすれば何もかも上手くいくと思ってたんだ…」

寮長は魔法を使う手を止め、あたしたちに向き直る。

エースやトレイ先輩たちもあたしたちの元へ寄ってきた。

「………本当はティーカップに入れる砂糖だって角砂糖じゃなくてはちみつがいいし、
フラミンゴの色もピンクじゃなくたっていい。

僕だって本当は……マロンタルトが食べたかった…」

ポロポロと零れてくる彼の言葉は、真っ直ぐに透き通っている。

…トレイ先輩が声を上げた。

「なぁリドル、お前のやり方が間違っていたことを止められなくて悪かった。

お前がそんなふうに思っていたことに、
……気づいてやることも出来なくて悪かった」

そう言って優しくリドル寮長の頭を撫でるトレイ先輩。

「…うう、ごめんなさい、ごめんなさい…」

泣きじゃくる寮長を見て、あたしは思わず笑みが零れる。

………よかった。

…寮長が壊れる前に、彼の心を動かすことが出来たんだ

「ねぇA、ありがとう…

君のおかげで僕は堕ちずにすんだよ」

泣きながらにも微笑む寮長に、あたしも笑い返す。

「すっげぇな、Aって…まさかほんとに説得だけでリトル寮長のバーサーカー状態を止めちまうなんて」

エースは驚いたようにあたしに笑いかける。

「あたしがやったんじゃないよ、リドル寮長が自分で自分のダメだったところに気づけただけだよ」

寮長が自分の魔法を解いたおかげで、ハーツラビュルの寮生の首輪も、エースに付けられた首輪もみんな外されたらしい。

＿＿＿＿＿良かった、ほんと良かった

あたしは安堵のあまりへたり混んでしまう。

「ちょっAちゃん！？大丈夫！？」

「へーきです…ちょっと怖くて疲れただけですから」

ケイト先輩があたしの事を優しくて立ち上がらせてくれる。

そんな中、コツコツと足音が響いた。

「やはりあなたは素晴らしい存在ですねぇ、Aさん」

顔を上げると、そこには満面の笑みの学園長先生がいた。