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「お前等なァ……喝入れるのは良いけど、場所考えろよ……」
トイレって、驚いたわ。と零すと、ゴホンと、言い出しっぺは自分ではありません。みたいな雰囲気を出している黒蜥蜴。
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「…樋口君は、芥川君の所に行ったのかね」
「…でしょうね、広津さん」
話題を無理矢理変えたな、広津さん。
てか、格好良いよな。渋さがあるというか、何と言うか…
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「……師匠が言っていた、兄貴が危ねェってホントか?」
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立原がそう言うと、俺達の空気が暗くなる。神妙な顔付きで俺を見つめる三人。
そうだよな。樋口に対しキツい言い方だったから心配だったのだろう。
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「さぁな。けど、絶望的だ。
俺が龍の事を怨む組織の一員だったら、今を狙うだろうな」
「…そんなにですか」
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たった一人の犠牲で済むなら其奴を切り離す。マフィアはそう云う組織だ。
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「龍は比較的本部から近い医務室に居るが、決して本部に居るわけではない。
……守れる奴にだって限りがある」
今は組合に人員を割いているからな。と、更に付け足せば苦い顔をしている。
どうすれば良いんだと顔色が悪くなっている。
…此奴らは最後まで話を聞けないのか…?
「まあ、最後まで話を聞け?」
そう言い俺の方に注目をさせる。
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「俺は今夜本部で首領に呼ばれている。
何かあった場合、お前等が頼りだ。良いな?
大丈夫だ。龍はお前等の上司だろ?彼奴は部下を大事にする奴だ。
帰ってくる」
じゃあな、と、言いその場を離れた。
きっと大丈夫だろう。彼奴等の目はやる気に満ち溢れていたからな。
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作者名:楓 | 作成日時:2021年7月30日 17時