五十一話 ページ2
zm side
この国の法なんか知るか
追いかけて取り戻せばええんや
そう走り出そうとした瞬間脳裏に過った恐怖に体を止めた
一瞬にしてバラバラに身体が別れていく
あかん、死んだと思った
あそこにいるチビがこんな事出来るわけないやろ
os「追いかけて…」
htr「ちょっと、マンちゃ」
zm「全員、動くな!!透明なワイヤーが張られとる、動いたらバラバラになんで」
「さーすが、脅威サマ。別に走り出しても良かったんだがな」
sha「お前!!戦場にいた!!」
「お、ジュリアと戦ってた幹部か？また会ったな」
gr「お前はクルデーレとは呼ばないんだな」
ロボロみたいに顔を隠した男が音もなく歩いてくる
「あいつが軍に入った時から知ってるし、俺はここじゃ幽霊扱いだからな。軍名で呼ぶ必要性がない」
このワイヤーの手口は蜘蛛や
たった一度だけ会ったことがある。今のように顔は隠しとらんかったけど
おもむろにチビに近づく蜘蛛を威嚇する
zm「何する気や」
ハヤテ「それ以上近づいたら斬るから」
チビ、懐に短刀を忍ばせてたのか
「性格は父親にそっくりだ、顔は母親似か。大きくなったな」
なんでジュリアみたいな慈悲に溢れた声色でチビに近づくん？
ハヤテ「お父さんの事知ってるの？」
「あぁ、証拠が必要だよな。家でこのマーク見た事ねぇか？」
隠されていた男の首元に月形の炎と2匹の蛇の刺青が見える
gr「おい!!ハヤテ早く離れろ！」
ハヤテ「家にこのマークのペンダントがあった。それにお父さんの腕にも」
「もう1つあるぞ、お前の母親の写真だ。最期までお前の父親が手放さなかったものだ」
ハヤテ「これがお母さん…？」
チビが受け取った小さい枠には微笑みかけている銀髪の女性
目元や口元がチビによく似とる
「ハヤテにやるよ、ジュリアの家族写真もな。お前の父親も一緒に写ってる」
そう言って取り出したのは2枚の集合写真
そこにはジュリアのパーツを持った男女とチビの母親に寄り添う男
そして1度は戦場で見かけた事のある名のある戦士達
全員が肩を組んだり、戯れ合ったりと笑顔で写っている
2枚目には幼くも今の面影があるジュリアと寄り添う先程の男と恐らく蜘蛛
sha「なんで集合写真なん？家族写真って家族だけで写るもんやろ」
そんなん考えんでも分かるやろ、だからお前は不人気なんや
戦争で写真なんか撮れんかったんやろ
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