六戦 ページ7
ＮＯ side
外交から何日かたった日、ジュリアは少しだけ痣の残る頬を撫でていた
jra「思いっきり殴ったな。男装していたとはいえ、女だぞ？」
はぁ、死ねと独り言を呟きながら資料に目を通していく
その中には先日会ったばかりの外交官と護衛の姿もある
jra「潜入捜査ね。私が居なくなっても軍や医療機関が上手く作動するの？」
ari「無理じゃないですか？今回は私も抜けてしまいますし」
jra「そうよね。何考えてんだか」
ジュリアの執務室には珍しく補佐であるアリーチェの姿があった
執務室には2人しか居ないためか普段の凛々しいジュリアはおらず、口調も崩している
jra「こんな国、無くなった方が私は嬉しいけどね」
ari「それは流石に言い過ぎですよ」
資料から目を離さずに言うジュリアをたしなめる
jra「この10年、そう思わなかった日は無いよ。国民に罪はない、勿論兵士たちにも。罪深いのは腐っている上層部だ」
ari「…」
jra「重い話をしちゃったね。明日から我々国に出発だ。準備は出来ているだろ？」
ari「はい。今から楽しみです」
妖しく笑うアリーチェに微笑み、太陽の沈みかけた空を見つめた
jra「やっぱり、国境は人が多いねぇ…」
ari「そうね。仮拠点まであと少し」
森を進み、国境まで近付くと人の多さに驚く
そんな人混みのなかを進むと人集りが出来ている
「誰か、医者は居ないのか!!」
「呼んでこい!!幹部様だぞ!!」
jra「私、医者です。どうしました？」
慌てて駆け寄り、中心に倒れ込む男を診る
腹部を損傷しており、意識朦朧としていた。かなりの深手だ
jra「少し先に私が借りた診療所があります。担架を持ってきて下さい。出来るだけ揺らさずに運んで下さい」
ari「先に行って準備してきます。担架は置いておきます」
jra「あぁ、ありがとう。じゃ、移しますよ。1,2,3!!」
その患者はシャオロンだった。
その後は緊急手術
数日たった今、容態は安定し会話が出来るまでに回復していた
sha「なぁ、ジュリア先生。俺いつ退院出来るん？」
jra「まだ出来ないわよ、シャオちゃん。お城にも手紙を送ったから安心して休みなさい」
sha「その、シャオちゃんってやめてくれん？違う奴思い出すわ」
jra「可愛いじゃない。シャオちゃん」
また思い出したのか、嫌そうな顔をするシャオロンを可笑しそうに笑う
直す気は無いようだ
sha(何より、アリーチェの視線が痛いんよな…)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 215人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
