四十九戦 ページ50
ＮＯ side
いつの間にか来ていた医療課の面々に指示する
jra「絶対に生かせ。殺すなよ」
「Si」
ジッと総統と医療課を見ていたしんぺい神にジュリアが話しかける
jra「気になるならどうぞ。しんぺい神殿が着いた方が生存率も上がるだろうからね」
しんぺい神はグルッペンに目で許可を取ると搬送された総統達の後を追った
去っていく部下のひとりがとどまり、ジュリアに包帯類を渡す
「クルデーレ様、僭越ながら申し上げます。左腕の処置と太ももの止血をなさって下さい」
jra「忠告ありがとう。ところで、君は重傷者よりも軽傷者を優先しろと教わったのか？下がれ」
「…はい」
震える声で答えた部下を見送るとおもむろに煙草を取り出して咥える
jra「鬱殿、ライター借りてもええ？無くしてもうたわ」
utu「あ、ええよ」
火をつけて煙を吐くとゆっくりと上を見た
jra「ありがとう。聞きたい事があるなら話そうか」
gr「軍を降伏させたのはお前か？」
jra「yes。私の部下が嘘の情報を流した」
アンティーク調の机に腰掛けながら答える
グルッペンは表情を変えず、周りを固める幹部達は警戒を解くことなくジュリアを見つめ続ける
gr「何故生きている」
jra「さっきの総統を地獄のドン底に突き落として、更に苦しめようと考えてたから。いまとなっては死んだ方が楽だったかもしれんなぁ」
足音が廊下から聞こえ、全員が戦闘態勢に移っる。足音はだんだんと近づきドアを開いた
「お母さん!!」
そこには黒髪の10歳くらいの少年が両手を広げて立っていた
そして叫んだ言葉の先にはジュリアが苦笑いを浮かべていた
tn「お母さん!?」
そんなトントンの叫びを無視してズンズンと中央まで歩く少年はジュリアの前で止まると腰に手を当ててプンスカと怒り始める
「煙草辞めるって言ってたじゃん!!消して!!」
ジュリアは煙草を床に押し付けて消すと少年に向き合う
jra「ごめんって。私の部下は？」
「かくれんぼしてたら撒いちゃった」
jra「…自己紹介して」
くるりと少年の体を回して背中を押し出す
少年は人懐っこい笑みを浮かべた
ﾊﾔﾃ「ジュリアの息子のハヤテです」
os「ハヤテ君、お父さんはだぁれ？」
ﾊﾔﾃ「ヤマトって人。戦争で死んだから会ったことない」
kn「同年で未亡人!?」
ギョッとした顔でコネシマとゾムがジュリアを見つめた
続編出来ました
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