四十三戦 ページ44
jra side
夕闇の組織の地下へと続く長い道
ｶﾁｯという軽いライターの音が響き、赤い光が浮かび上がる、紫煙が漂い消えた
jra「ﾁｯ。要は厄介払いやろが、あのたぬき共」
普段滅多にしない舌打ちをする
最近煙草を吸う頻度が増えてきている気がする
確か最後に吸ったのはひとらんらんの時か
jra「加えて何や、あの戦略。穴ありすぎやろ、勝てると思っとんのか？」
「クルデーレ様、お声が少々大きいですよ。自室では無いのですから」
黒地に白で”焼”と書かれた布を顔にかけた部下がやんわりと暴言を咎める
夕闇の隊長の1人だ
jra「すまない。夕闇は揃っているかい？」
「はい。全員揃っております」
あの2人の幹部によって少々予定が狂った
あの子の事も故郷も心配だ
jra「明日、国は我々国に宣誓布告をする。戦地は私の故郷だ。私は最前線の配置となった」
お願いしたいのは工作
自軍が白旗を上げたという情報を遅らせる為の
jra「これで最後。必ず君達を救ってみせる」
「ジュリア、大丈夫か？」
本当の名前で呼んできたのは来と書いた布の男
軍に徴兵された時からずっと居る古参の兵
冤罪で執行場所に連れていかれた時はかなり焦った
jra「お兄ちゃんみたい。大丈夫、」
「ジュリア。お前いつも訛ってるのに嘘つく時だけ標準になるの自覚してないのか？」
父と母の生前を知っている数少ない人。私の全てを知っている人
唯一、弱音を吐ける人
jra「ホンマはな、めっちゃ怖い。復讐終わったら、何もなくなってしもうんやないかなって、ヤマトの約束も果たせん。ヤマトに怒られてまうわ」
「ヤマトとの約束は守れよ。アイツはお前がそうならないように頼んだんだからな。お前がそんなんでどうするんだよ」
jra「うん。分かっとるよ、ヤマトは優しかってん。自分が激戦地行くっちゅう時に私の事考えてくれてたんよ」
ひとらんらんに会った時は少し苦しかった。ヤマトも東洋の出身だったから
とても優しく、怖い人だった
「アイツらしいな」
jra「ホンマにな」
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