四十戦 ページ41
ＮＯ side
ari「君達が持ってる鎌は師匠のを奪ったのよ。私の家族の血もこびり付いていたんじゃないかしら」
zm「道理で切れ味がええわけや」
ari「触ったの？骨までスパッといくわよ」
zm「軽くや。触れただけでこれや」
指に巻かれたガーゼをアリーチェに見せている
ari「私の過去はどうでもいいでしょ。聞きたい事…いや、捜し物は終わった？」
gr「ハハハ!!バレていたか」
ari「殺人鬼の弟子を舐めちゃいけないわ。読心術は人より優れてるのよ」
ゆっくりと起き上がるアリーチェは手を組んでグルッペンと向き合っている
グルッペンもまた口角を三日月に曲げていた
gr「一つだけ見つからないものがある。ジュリアは何者だ？」
ari「私と同じ戸籍も家族も名も無い軍人よ。それはいくら探しても出てこない」
os「嘘や。ジュリアには両親も戸籍もあった。正真正銘
ari「私、過去は聞かない人間なの。もう終わり？」
gr「あぁ、いいだろう。解放してやれ」
コツコツと靴を鳴らしながら去っていくグルッペンや幹部達
鉄格子の鍵をガチャガチャと弄り、開けたのは鬱先生だった
utu「跡残ってしもうたな。ごめんなぁ、アリーチェちゃん」
ari「喋るだけ喋ったら殺されると思ってたわ。少なくともグルッペン以外はそうでしょ」
赤く残った跡を確認してから摩るアリーチェ
鬱先生は煙草を取り出すと火をつけ煙を吐き出した
utu「僕は殺したい派かな。いつ裏切るんかわからんやつを生かす意味がわからんからな」
ari「ならなぜ？」
utu「あの人は意味はどうでもええんや。グルちゃんの考えは誰にも分からんよ」
そう言ってまた煙を吐き出す
アリーチェは顔を歪めながら鬱先生について行く
ari「匂い、染み付くわよ。スナイパーとしてどうなのよ」
utu「ええの、見つけて欲しいから。ついたで」
ari「ありがとう」
utu「部屋調べたから、荒らされとるとおもうけど」
手をヒラヒラと振りながら帰っていく鬱先生に背を向けた
ari「想像以上に荒らされてるわね。手帳も無いみたいだから見つけられたのかしら」
ポツンと一つだけ綺麗に置いてあったのはオレンジ色のインカム
近寄れば少し傾いた字で《インカムの性能が良くなったから連絡をして欲しい》とロボロからの置き手紙があった
ari「性能が良くなった…ねぇ」
インカムを頭に付ける
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