三十二戦 ページ33
jra side
ビクビクしながらエサを与えていて最初はヒヤヒヤしたが、杞憂だったようだ
すっかり慣れたようでビアンも警戒していないらしく、大人しく撫でられている
ペンを滑らせていけば山が少しずつだが確かに減っていく
この感覚を覚えてしまえば後は楽しいとまで思えてしまうのは仕事のし過ぎだろうか
syp「うわ!!」
声がしたから顔を上げてみればショッピの肩にビアンが乗っている
飛び乗ったのか。懐いているな
jra「ふふ、もうそろそろ夕食の時間だ。食堂へ向かうとしよう」
syp「すみません、声上げて。仕事大丈夫っすか？」
jra「キリが良かったし、トンちゃんに終わった分を届けないと行けなかったから丁度良いよ」
手を伸ばせば、ショッピの肩から手に乗り移るビアン
jra「Goodboy。少し待っていておくれ」
そう言って止まり木に渡らせる
一撫ですると満足したように部屋を飛んでいた
syp「フクロウって鳴き声以外は割と静かっすね」
jra「そうだろう。デリケートだから飼育は難しいんだが、その分愛着が湧いてね」
syp「鳥類は愛着湧くって聞きます。俺は飼う予定ないですけど」
jra「相棒がいる生活も悪くないよ」
ドアを開ければいつもの顔ぶれの中に一人知らない顔が混じっていた
jra「来客ですか？」
ni「君達が新入りか。俺は兄さんって呼ばれとる、よろしくな」
ストールを巻いた知的な男性。兄さんと呼ばれる理由が分かる
jra「医師のジュリアです。今は男装していますが、女ですのでお見知り置きを」
ari「薬師のアリーチェ。麻酔科医も兼任している」
syp「1番遅く入りました、ショッピでーす。よろしくお願いします」
三者三様に挨拶を述べると兄さんは苦笑いした。
随分と癖の強い後輩だとでも思っているのだろうか
gr「兄さんには武器調達を任せていてな。良く出張で居ないんだが、戦争が始まるから帰ってきてもらった」
ni「ホント、人使い荒いわ。飛び回ったあとに戦争なんて」
若干嬉しそうなんだよなぁ
やはり、我々国には変人が多い
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