三十戦 ページ31
jra side
監視室の扉を壊しそうな勢いで開ける
jra「失礼。大ちゃんは？」
rbr「女に逃げたで。いま城壁辺りやないかな」
jra「”大ちゃん、止まれ。聞こえてるだろう？”」
外の音が聞こえているため、絶対に繋がっている
jra「無視か。ならこちらにも策がある」
ポケットから携帯を取り出し、連絡先をスクロールし、1つ選び出した
rbr「誰に掛けるつもり？」
jra「私、この姿の時はルインって名乗ってるんだよ」
rbr「ルイン…聞いた事あるな」
それもそのはず、町娘の中では噂くらい流れているだろうから
jra「あ、アリアさん？頼みたい事があるんだけど」
街道で娘に話しかけられている鬱先生を発見した。どうやら私に気づいて居ないようだ
顔の整った茶髪の娘、タレ目が特徴的で愛らしい。
娘は鬱先生に可愛らしい笑みを浮かべている
jra「やぁ、大ちゃん。随分と楽しそうだね」
utu「ちゃ、ちゃうんすよ。女の子から寄ってくるんですよ」
手を前にして首をブンブンと降る鬱先生
娘の顔は見えず、俯いている
jra「ほう？」
「ルインさん!!電話頂けてとても嬉しゅうございました!!」
バッと顔を上げた娘は顔をキラキラさせて滑らかに話し出す
jra「こんな頼み事してしまいすみません」
「いえいえｯ、ルインさんだったらなんでもお聞きします!!」
jra「ありがとうございます」
ふわりと微笑めば染まる頬に鬱先生は目を見開いている
大方「お前がルインか」とでも思っているのだろう
最近、鬱先生の彼女の1人らしき人が大量の荷物を持っていたので助けたばかりだ
「この後お茶などいかがです？」
jra「すみません。大ちゃんを城壁まで送らないと」
さぁ、執務室へ行こうか
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