三戦 ページ4
ari side
無駄に大きい門の前に馬車が止まる
数十分前から門の前に待機していた男装のアリーチェが笑顔で対応する
明るく目を引く茶色の髪は暗い茶色に変わり、目もそれに合わせるように焦げ茶に変わっている。要するに別人だ
ari「本日は我がF国にお越し頂き、ありがとうございます。本来ならば私達が赴く所なのですが…」
オスマン相手には小柄なアリーチェはとても弱そうに見えるだろう
その事を護衛に着いてきたらしい軍服にニット帽という変わった服装をした男がアリーチェを警戒すらしていないという事が証明していた
os「いえいえ、こちらこそお招きいただきありがとうございます。こんなに立派な馬車まで用意して頂いて…」
そう言うとニッコリと微笑むオスマンとかいう優男。
ふわりとウェーブのかかったアシンメトリーの髪に深緑の目。
覚悟はしていたが、来てそうそう嫌味か。
確かにあの馬車には盗聴器やら位置情報を示す機械やら色々仕込まれている。なんなら、馬子役だってクルデーレ様直属の部隊から出ている位だ。
クルデーレ様からの嫌がらせ…いや、警告に近い。
クルデーレ様は恐らく”お前達の思惑通りにはさせない。お前達の考えは分かっている”という事を馬車で伝えたのだが、そんな馬車に乗っかってくるとは。遊んでいるな…
嫌味には嫌味で返してやる
ari「喜んでいただけて、私達も嬉しく思います。それでは、ご案内致します」
未だにニコニコとしている外交官。
はぁ、やりにくｯ!!
さぁ、早く案内して仕舞おう。
私の心労よりも心配なのは私の部下達だ。
さっきからずっと黄色いのが私の部下達を値踏みし、鋭い殺気を一人一人に送っている。
ラブレターじゃないんだから、軽々と送るのはやめて欲しい。お陰様で全員真っ青だ。
馬子役達も道中色々あったらしく、疲労が見てとれた
これは早く連れていかなければ、部下達が倒れる
今日のストレスははかり知れんだろうな…
矢張り、私もクルデーレ様と呑むべきか？
ari「失礼します!!我々国外交官殿をお連れしました!!」
jra「入れ」
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