二十九戦 ページ30
ＮＯ side
完敗という訳ではなかったが、接戦になり二人とも負けてしまった
ジュリアは手を叩いて手についた汚れを落とし、2人に向き合う
jra「ふう。約束通り、執務室に行きますよ」
2人の姿はボロボロだった
htr「ドンマイ。二人とも」
jra「執務室と言っても自分達の部屋だとまたサボりそうなので、トンちゃんの所に行きます」
その瞬間2人の顔は青ざめていく
sha「急に行ったらトントン困るんちゃう？」
jra「大丈夫、インカムで連絡した」
htr「外堀は埋められてるんだし、行った方が楽だとおもうけど」
ジュリアはそれでも頷こうとしない2人にそんなに嫌かと苦笑いをこぼす
jra「ホラ、行きますよ。”大ちゃん、次は君だよ”」
インカムにスイッチを入れて鬱先生に繋げる
ジュリアは3人を執務室に放り投げるつもりらしい
tn「…ご苦労さん」
ノックを省略し、ドアを開けたジュリアの後ろをみて苦笑いするトントン
いつも騒がしい2匹の犬が大人しく佇んでいたからだ
怪我は完璧に処置され、心なしか身体が軽い
先程の戦闘を言い訳にサボる事は出来ないだろう
jra「大ちゃんの所に行ってきますね」
tn「あぁ。こっちの事はやっとくわ」
扉が閉まり、廊下を歩く音が聞こえる
ゾムからの報告を受けたトントンはなんとなくこうなる事を察していた
だから、執務室に連れていってもいいかというジュリアの申し出を受けたのだ
tn「さて、やってもらおうか。お前らの書類は分けといたから」
声を掛けるとビクリと跳ねる肩に笑いそうになるトントン
tn(今日はジュリアに絞られた様やから粛清は待ったるか)
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