二十一戦 ページ22
jra side
まさか本気でアリーチェが懐くなんて信じられないな
少しづつ感化されている、
きっと
jra「シャオちゃん、図書館に行きたいんだけど案内頼んでいいかな」
sha『エミさんとこやな、分かった。いまどこにおるん？』
jra「情報管理室を出た所だよ」
sha『あーじゃあ、そこで待っててや。迎えに行くわ』
jra「ありがとう」
だがいま祖国を裏切るわけには行かない。別にクソ総統に忠誠を誓っているわけでも国を愛しているわけでもない。
私の部下達が祖国に残って進めてくれているのだ。私という毒を国全体に回す準備を。
sha「ジュリア先生!!合流出来たし行こか」
jra「あぁ。楽しみだよ、どんな本が有るのだろうね」
sha「なんでもあったと思う。俺、エミさんは知識欲の塊みたいなもんだと思ってるから」
もう何年かしたら仕掛ける。巻き込ませてもらうよ、我々国
jra「そうなの？益々楽しみだ」
そう言って笑う。本心など誰にも覗けない
シャオちゃんにバレないようにそっと内ポケットに入った写真を上から撫でた
eml「おや、随分珍しいお客様ですね」
sha「用があるんは俺やないで。ジュリア先生が図書館代わりのエミさんの部屋行きたい言うとったから案内しただけや」
jra「すみませんね。自室にある本だけでは満足出来なくて。シャオちゃん案内ありがとう」
eml「そうでしたか。ジュリアさんはこの国に来るのは初めてですか？」
柔らかい物腰で聞いてくるエーミール
その手は珈琲を準備している
jra「はい。歴史書なんかも良いかなと考えていた所です」
珈琲を受け取り、口に含む
上質な豆だな。フルーティーな香りが鼻に抜ける。美味い
eml「それなら、この辺りの本はいかがでしょう」
話が弾み、珈琲が冷え切ってしまう位の時間を過ごした
時計をみると夕食の時間が差し迫っていた
遅れたらトンちゃんに粛清されてしまう
jra「ありがとう、楽しかった」
eml「こちらこそ。ここまで話が合うとは」
jra「また来るよ。夕食の時間も近いし一緒に行かない？」
eml「勿論」
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