二戦 ページ3
jra side
jra/ari「「失礼します」」
ふんぞり返る総統閣下に頭を下げ、部屋を後にする
jra「呼び出して済まなかったね。調剤中だったかい？」
ari「いえ。クルデーレ様からの呼び出しでしたら幾らでも」
jra「そう言ってくれると助かるよ。さて、明日の引き継ぎと服装を準備するか」
あぁ、そう言えば開発部が変声機を開発したと言っていたな。
試しに明日使ってみるか
jra「ノービレ。今から開発部に行って変声機を取りに行ってくれないか？
私は声が低いから女だとはバレないだろうが、君は声が高めだろ。私も絶対とは言いきれないし、声でバレてしまっては男装の意味が無いからね」
ari「分かりました。失礼します」
今日もカルテと書類と上司の嫌がらせで一日が終わってしまう
無駄にした気分だ
我々国も面倒な事をしてくれる
ari side
今日は一日調剤室に篭って新薬を開発しようとした矢先
新人の伝言役がドアを叩く
チッ!!伝言役でなければ無視しているところだよ
ari「…」
無言でドアを開け、伝言役を頭から足先までみる。そして、言葉を発することを促した
そんな私に緊張した面持ちで
「し、失礼します!!クルデーレ様より総統室に来て欲しいとの事です!!」
と話す。全く、暑苦しいことこの上ない
新兵さんは大変だね
ari「わかった。お前、新兵だね。次から私への伝言は扉の下から紙を通すだけでいいよ」
すっごい嫌そうな顔するね。仮にも上官なんだけど、その態度はどうなの？
思う事は沢山あるが、今の私にはクルデーレ様からの呼び出しがある
元々私は軍服の上に白衣を着ただけだ。白衣を脱げば正装となる。
廊下を走り抜け、総統室に入るが私の上官の姿は見えない。
そこそこの信頼ね…
総統様の話を聞く限り、自国の外交官は我々国に利用されてるに違いない
私が気付いた位だからクルデーレ様もお気付きになられているはず。
現にクルデーレ様の目は呆れている。
そんな事にも気が付かないお飾りの総統様はペラペラと偉そうに話している
よくもまぁ、恥を晒しておいてふんぞり返る事が出来たな
明日あたり、クルデーレ様が煙草を吸うことになりそう
酒も呑むだろうから、巻き込まれる前にあの新兵を生贄にすることにしようか
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