第23話 母性 ページ24
「アリス！」
『どうかした？キース』
「一緒に話したかったんだ…」
『そっか…じゃあ、ちょっと抜け出そうか』
窓が開いているところを見つけ、
そこから外へ出た。
涼しい、でも。少し暖かい風が通り、
頬を掠める。
『キースは
こういうところによく来るの？』
こういうところ、というのは、
今回に限っては、舞踏会だけれど、
一般的に言えば、パーティとかのこと。
「…姉さんが粗相をしないように…」
苦笑いして言うキースの姿は、
カタリナよりも少し大人びて見えた。
『偉いわね…そっか…カタリナ…』笑
カタリナの粗相を見張るのが義弟だなんて…
カタリナったら…。
あ、そうだわ！
『キース！キースが頑張った分だけ、
私がご褒美をあげるわ！』
「ご褒美…？」
『えぇ！なんでも良いわよ！』
「なら…………」
『え？そんなことで良いの？』
「うん…」
『そう？……じゃあ、おいで！』
「い、今！？」
『えぇ。』
言い出したのはキースなのに。
いざとなったら恥ずかしいのか、
顔を真っ赤に染め上げて、
口をしばらくパクパクしてから、
キュッと結んで腕の中に入ってきた。
『ふふ……』
"なら……ギュッてしてほしい"
そう言ったキースを見て…
やっぱり、
まだ自分より幼いんだよねと思えた日。
カタリナの面倒を見るとしても、
キースの方が年下だし。
カタリナもキースに頼りすぎちゃダメよね…
『…また、いつでもギュッてしてあげる。
それに、頭だって撫でてあげる。』
"だから、寂しくないわ…ね？"
そう言うと、
また少し恥ずかしがったけれど
「…はい」
とニッコリ笑って言ったキースを見て。
カタリナから聞いてはいたけれど、
甘え方もよく分かっていないし、
甘えたいと思ってるのに、口に出さない。
私も気が付いた。
だから、私のことだって、
キースのお姉さんみたいに思ってほしい。
11歳ながらにして、
初めての母性というものかしら。
ふわふわと、暖かい気持ちが芽生えた日。
『戻りましょうか』
「うん、ありがとう…」
『いーえ！』
ふふっとお互いに顔を見合わせて笑った。
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あやか(プロフ) - いがぐりさん» ありがとうございます！その言葉で頑張れます！！ (2020年11月1日 21時) (
レス) id: 674992aea4 (このIDを非表示/違反報告)
いがぐり - 更新楽しみにしてます！ (2020年10月24日 21時) (レス) id: e6de3d2e77 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 花音さん» 夢主ちゃんの鈍感さが伝わったようで良かったです！面白いと言って下さり、応援して下さってありがとうございます！とても励みになります。これからも頑張ります！ (2020年10月8日 22時) (レス) id: 674992aea4 (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 初めまして♪とても面白かったです＼(^^)／主人公ちゃんの鈍感な所がとても可愛いです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( *´艸｀)これからも応援してます(^○^) (2020年10月4日 23時) (レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 紗那さん» ほんとですね！メアリちゃんが2人出ているwありがとうございます！修正します！ (2020年9月25日 23時) (レス) id: 674992aea4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやか | 作成日時：2020年5月30日 19時
