LDH short story

黒木啓司 ページ11

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今日は久しぶりに2人でゆっくりできる日。
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なのにAは俺のことはほったらかしでHiGH&LOWを観ている。
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自分が出てる作品を目の前で見られるってなんか照れる。
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当の本人は目をキラキラさせてのめりこんでいる。でもそろそろかまってほしい。
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「もうそれ何回も観てるじゃん。目の前で見られると照れるんだけど。」
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大人の余裕も崩れかけつつ言ってみた。
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『いいじゃん。私ロッキー1番好きだよ』
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なんていってロッキーが出るたびににやけてるA。珍しいデレの方がでた？
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さりげなく俺が1番っていったよね？めっちゃ嬉しいんですけど…。なんて1人で考えてたら
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『なにニヤニヤしてんの。』
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あ、いつもツンの方だ。でも嬉しいもん。
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「Aがロッキー好きって言ってくれたから。」
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『私が好きなのはロッキー。女の人に優しくてスマートで強いロッキーが好きなの。私の隣にいるのはロッキーじゃなくて啓司じゃん。』
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テレビを見たままいじわるしてくる可愛いA。
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ロッキーは俺だけどなんかずっとAがテレビに釘付けだから妬けちゃうな。
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こうなったら俺も反撃しないと。
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テレビの電源をリモコンでブチっと切ってAをソファに追いつめた。
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『あ、ちょっと！観てたのに…。』
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「テレビの中の俺じゃなくて目の前の俺を見てよ。」
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鼻がくっつきそうな距離で話すと顔を真っ赤にして照れるA。
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『な、なにいって…ん…っ』
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反抗するAの後頭部を抑えて深いキスをした。
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いつもの冷たい態度も今は俺のペースで崩れている。
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あんな可愛い声聴いたら止めらんない。
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息も絶え絶えなAにかまわず話しかける。
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「…いますぐしたい。」
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俺は返事も聞かずAを抱っこして寝室へ向かった。
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そのままなだれ込むようにベッドに入った俺達。
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『優しくして…？』
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真っ赤な顔と涙目で上目遣いで言われて優しくできる男がどこにいるだろうか。
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「…むり」
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そのまま噛みつくようなキスを落とし、快楽の渦に巻き込まれていった。
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『優しくしてっていったのに。』
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「知らね。」
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『…ロッキーさんなら優しくしてくれるはずなのにな。』
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「…なに？もっかいされたいの？」
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『違うし！/// もう啓司なんか知らない！』
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そう言って俺に背をむけるAをぐっと抱き寄せて耳元で囁く。
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「お望み通り抱いてやるよ」
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熱い夜はまだまだ明けそうにない。

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