影山兄は”天才”ではない【影山飛雄】

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時が過ぎるのはとても早いもので、今日は例の火曜日。



烏野が練習試合をしにくる日だ。



ある程度の練習が終わり、それぞれがしたいことをしている。



サーブ練をするヤツもいれば、スパイク練をするヤツ、トス練をしているヤツもいる。



いつもは徹のサーブ練に付き合ってレシーブを鍛えてるけど、あいにく今日は途中まで徹がいない。



ま、だからといって何もしないわけじゃねー。



逆に、この練習をするチャンスでもあるんだ。



でもまずは、スパイカー捕まえねーと...お、いたいた。



『一、ちょっと付き合って』



岩「？おう、いいぞ」



一は誘うと必ず付き合ってくれる。



今まで断られたことが無い。



岩「で、俺は何をすればいい」



『んーと...まあ、とりあえずボール俺にパスして。できればカウンターの一発目みたいな感じで』



岩「...つーことは、アンダーの方がいいのか？」



『あ、できればアンダーで。よろしく！』



さ、こっからだ。



レシーブしてもらったボールが落ちる真下に移動し、素早くトスをする姿勢になる。



そして、オーバーで軽くポスッとボールを上げる。



『一！！』



岩「おらあ！」



ドゴッと、一がスパイクしたボールが勢いよく床に叩きつけられる。



ふと気がつくと、部員全員が練習を止めて俺らを見ていた。



『...へ？』



岩「お、お前、トスできんのか！？！？」



「「「うおおおお！！！」」」



そう、これは俺がちょっと前からひそかに練習していた、トスである。

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