たんぽぽの花冠 参【我妻善逸】

向こうで待ってる ページ6

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『 炭治郎が目を覚ましたぞ！！』


『 やったーー！！！』






私が刀を刺してすぐに気を失った炭治郎。

目覚ましたんだ、戻ってこれたんだね。






「 よかっ…た… 」






私はもう、痛みも感じなかった。


何も感じない。


息をするのがやっとで、瞼も重いの。
今すぐにでも 目を閉じてしまいたい。






『 Aちゃん！！ダメだ！！しっかりして！！』


『 Aっ…！！俺が…俺がやったのか…？』


『 …炭治郎の中に入り込んでいた無惨だ。
お前のせいではない 』






みんなが私の周りに集まってきてくれる。

恥ずかしいなぁ、最期がこんな姿なんて。






『 Aちゃんっ…死なないでっ… 』


『 花子！！弱味噌がっ… 』


『 A、死ぬな…ダメだ諦めるな！』


『 ごめん、ごめんAっ…俺が…俺がっ… 』






みんなそんなに泣かないで…

ちょっと先に逝くだけだから
向こうで待ってるからさ






「 みんな…ありがとう… 」


『 Aちゃん！！ダメだ！ダメだよ！死ぬな！』






もうそんなに泣かないで

約束、守れなくてごめんね






「 善逸っ…くん… 」


『 そんな…嫌だ…嫌だ！！置いてかないで… 』






涙で濡れている頬に手を添えれば、
その手を善逸くんの大きな手が包み込む。

大好きなこの手。

この手に握ってもらうだけで、
どれだけ私が安心したか…






「 ごめん…ね、私っ…もう…ダメ、かも… 」


『 っ…… 結婚するって言っただろ！
ダメだっ…死んだら… 』






善逸くんの胸の中で死ねるなんて
私ってば最期まで幸せだね。






「 結婚…したかった、な…
善逸くんの…お嫁さん…に…なりたかった… 」


『 なれるよ！もうなる！なってほしいんだ！』






唯一の心残りはこれだ、
善逸くんのお嫁さんになれなかったこと。






「 善逸くんと、結婚…して…
子どもも…出来て…幸せに、暮らしたかった… 」


『 暮らそうよ！叶えようよ！2人で！』






善逸くんに似た、甘えん坊で泣き虫の長男と
見た目は私だけど、善逸くんみたいに優しい長女

みんなで毎日笑って、幸せに暮らすの。



夢だったんだけどなぁ

叶えられそうにないや

ごめんね、善逸くん。






「 ありが、とう… 善逸くん…愛してる… 」


『 俺だって愛してるよ！
Aちゃんがいなきゃ…俺っ…無理だよ…


＿＿＿＿＿＿ A！！ 』









私の目から一筋の涙がこぼれ落ちた。









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