検索窓
今日:3 hit、昨日:10 hit、合計:116,846 hit

鬼になんてさせない ページ41

.






「 今日は満月か… 」





また夜中に1人、縁側で月を見上げる。

寝ようと思って布団に入ったけど、
どうしても眠れなかった。





結局あの後、帰り道は
善逸くんとは一言も話さなかった。

善逸くんも音で察したのか
話しかけては来なかった。





「 私、勝てるのかな… 鬼の力に 」





私の細胞の半分は鬼の細胞。


もし本当にお父さんの力で
雷の呼吸が使えるようになったら

いずれ鬼の力も使えるようになる。





でも、それ以前の問題がある。





私は半分鬼だということを
鬼殺隊のみんなが認めてくれるかどうか。



善逸くんはどう思ったかな…

" どんなことがあろうと、ずっとそばにいるよ "

あの時はそう言ってくれたけど
わたしが半分鬼だなんて
予想もしてなかったことだろうな…



軽蔑するかな
離れてっちゃうかな



せっかく見つけた
誰よりも大切な人なのに





『 お隣いいですか?』





ふわっと彼の匂いがして顔を上げる。





「 善逸くん… 」


『 なんか俺も眠れなくってさ 』





" そしたらAちゃんの音がしたから "
と無邪気に笑う。



安心するその笑顔に
気を抜くと涙が出そうになる。


どう思ったか聞きたい。
でも怖くて聞けない…


しばらくの沈黙の後、善逸くんが口を開いた。





『 Aちゃんの音ってね、
鈴のように綺麗な音なんだ。

今まで聞いたこともない、優しくて綺麗な鈴の音。

でも時々、違う音が聞こえてくる。


恐怖、不安…


その恐怖や不安を取り除いてあげられるなら、
俺が力になりたい。

Aちゃんが、俺のことを救ってくれたように 』





微笑んで、私の手をまた優しく握ってくれる。

手を握ると私が安心するの わかってるんだ。





「 私、鬼の力に屈さずに
人間のままでいれるのかなって…

鬼の力って きっと人間の力よりはるかに強い。

こんなに弱い私が耐えられるのか
ますます自信がなくなっちゃった… 」





善逸くんの私の手を握る力が少し強くなる。





『 Aちゃんは、絶対大丈夫だよ。
優秀なお父さんとお母さんがいたんだもん。

それに、もし鬼になりそうになったら俺が止める。


何度だって Aちゃんの名前を呼ぶよ。


___ 俺が鬼になんてさせないから 』





" 鬼になんてさせない "

私一人に頑張れって 大丈夫だって言うんじゃなくて
鬼になるかもしれないギリギリまで
そばにいてくれる。


そんな言葉に私の涙は止まらなくなった。





.

君の光に→←力の遺伝



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (46 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
121人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

mini(プロフ) - stereogirlさん» コメントありがとうございます(T_T)!更新頑張ります!! (2020年4月20日 21時) (レス) id: 91678dce2b (このIDを非表示/違反報告)
stereogirl(プロフ) - 強い女子と善逸くん、大好きな組み合わせです(笑)続き楽しみにしてます! (2020年4月20日 19時) (レス) id: ebd32c96af (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:mini | 作成日時:2020年4月12日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。