お館様からの手紙 ページ33
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" A、いきなり私から手紙なんて
驚いただろう。ごめんね。
君が今この手紙を読んでいるということは
成長し、素晴らしい剣士になっているんだろうね。
その姿を私は見ることができているのかな。
なぜ私がこんな手紙を送ったのかというと、
君の失われた記憶について話しておこうと思ってね。
Aが失った記憶は、君のこれからにとって
大きな影響を与えるものだと思う。
正直言って 辛く、厳しい現実かもしれない。
けれどAはこのことを知る必要がある。
知るべきだと、私は思うんだ。
我妻善逸隊士の師範、桑島慈悟郎さんを
訪ねるといい。
厳しいことを言ってごめんね。
でもAなら、乗り越えられると思っているよ。
産屋敷耀哉 "
辛く、厳しい現実…
そんなに辛いことなら出来れば知りたくない。
知りたくないけど、私は知らなきゃいけない。
辛く厳しい現実だとわかっていて
知りに行かなきゃいけないなんて…怖い。
予想はついてる。
だからこそ 怖い。
手の震えが止まらない。
『 A 』
「 はい 」
しのぶ姉さんはそんな震える私の手を
優しく包み込んでくれた。
『 どんなことがあろうと、
私はAの姉です。
ずっと、あなたの味方だからね 』
そう言って優しく微笑んだ。
きっとしのぶ姉さんもわかってる。
知っているのかもしれない。
それでも 私のことを妹として
変わらず見てくれている。
私は、ひとりじゃない。
「 しのぶ姉さんっ… 」
しのぶ姉さんに抱きつくと、
優しく抱き締め返してくれる。
「 しのぶ姉さん大好きだよぉぉぉ 」
『 あらあら、私も大好きですよ 』
大丈夫。私にはみんながいる。
ひとりじゃない。
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mini(プロフ) - stereogirlさん» コメントありがとうございます(T_T)!更新頑張ります!! (2020年4月20日 21時) (レス) id: 91678dce2b (このIDを非表示/違反報告)
stereogirl(プロフ) - 強い女子と善逸くん、大好きな組み合わせです(笑)続き楽しみにしてます! (2020年4月20日 19時) (レス) id: ebd32c96af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年4月12日 20時