消えた記憶 ページ32
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「 んっ… 」
あれ…?ここは…私の部屋?
見慣れた天井が目に入る。
『 あら、目覚めましたか?』
「 しのぶ姉さん…?」
『 ええ、そうよ。
帰ってきてから全然目を覚まさないから
少し驚きました 』
そう言ってしのぶ姉さんは微笑んだ。
「 あの、他のみんなは…?」
『 3人とも元気ですよ。
特に善逸くんはAが目を覚まさないから
ギャーギャー喚いていたので
さっき追い出したところなの 』
「 ・・・ 」
" よく起きませんでしたね " と呆れ顔。
善逸くんが喚いてる姿が想像できるよ…
『 炭治郎くんはAと同じ
特殊な錐で腹部を刺されているので
重症ですけどね 』
「 …じゃあ、本当なら私も重症だったんですね 」
私がそう言うと、しのぶ姉さんは
少し言葉に詰まる。
だいぶ深く刺されたはずの傷の部分はもう
包帯すら巻いていない。
ガーゼのみだ。
『 …そうね。
いつも通り、Aの回復は早いです 』
今のしのぶ姉さんからは動揺が見える。
きっとわかってるんだ。
この回復の速さがどういう事を意味するか…
「 しのぶ姉さん 」
私は無限列車での戦いであったことを全て話した。
夢で見たこと
魘夢に言われたこと
煉獄さんに言われたこと
しのぶ姉さんは私の顔は見ずに
でもじっと、話を聞いてくれた。
「 私、本当に鬼の血が入ってるのかなあ 」
すると、しのぶ姉さんは
意を決したかのように私の方を向いた。
その顔は真剣だった。
『 そろそろかとは思っていました 』
「 …何が?」
『 Aの失われた記憶についてです 』
" これを " と渡されたのは一通の手紙。
『 お館様から、Aにと。
時が来たら渡して欲しいと言われました 』
お館様から…私に?
しのぶ姉さんの顔を見ると、コクリと頷く。
それを合図に、私は手紙を開いた。
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mini(プロフ) - stereogirlさん» コメントありがとうございます(T_T)!更新頑張ります!! (2020年4月20日 21時) (レス) id: 91678dce2b (このIDを非表示/違反報告)
stereogirl(プロフ) - 強い女子と善逸くん、大好きな組み合わせです(笑)続き楽しみにしてます! (2020年4月20日 19時) (レス) id: ebd32c96af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年4月12日 20時