君は誰? ページ1
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『 A 』
「 はい 」
『 那田蜘蛛山で大勢の隊士たちが
行方不明、またはやられてしまっている。
しのぶや義勇にも向かってもらった。
Aにも援護をお願いできるかい?』
「 もちろん、
お館様のご指示であればどこへでも 」
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その頃…
那田蜘蛛山では善逸が兄蜘蛛を倒したが、
毒によって蜘蛛になりかけていた。
シィィィィ…
うまく呼吸できなくなってきた…
呼吸で毒の巡りを遅らせても、
もうすでに手足の感覚がなくなり、縮み始めている。
手足の感覚も…ない…
意識がどんどん薄くなる。
禰豆子ちゃん… ごめん…
チリン…
意識を手放しかけた時、
どこからともなく、蝶のような人が舞い降りた。
( 誰…だ…? )
「 もしもーし、だいじょう……!? 」
この髪色に この羽織、見たことある…誰…?
私の、知り合い…?
(視界がボヤけて…顔が分からない )
「 手足が縮んでる。危ないところだったね。
でも私が来たからもう大丈夫!」
『 じぃ…ちゃん… 』
「 私、じいちゃんじゃないけど 」
『 今、じいちゃんが出てきて…
諦めるなって… 』
そう話す彼は、今にも意識を手放しそうなほど
目は虚ろだった。
「 あぁ、それは走馬灯っていうんだよ。
一説によると、人が死ぬ間際に走馬灯を見るのは
その中で死を回避する方法を
探してるからなんだって。
私は走馬灯を見るほど死の間際に
立ったことがないからわからないけど… 」
そう話しながらAは
注射針を出し、善逸の額に触れる。
「 うん、うまく呼吸で毒の巡りを遅らせたね。
じゃなきゃとっくに蜘蛛にされてるところだったよ。えらいえらい 」
( 長い髪に…蝶の髪飾り… )
「 今解毒剤を打つからね。
この解毒剤、すーぐ効くんだよ。
しのぶ姉さんが作ったすごい薬なんだから!」
と、自信満々に注射針を刺す。
『 いたぞ!こっちだ!』
少し下の方で吊るされている隊士を
救出する隠の姿を見ながら、
善逸は意識を手放した。
「 よく頑張ったね。ゆっくり休んで 」
眠る善逸から明るい月に目線を移す。
「 さてと…鬼はしのぶ姉さんたちに
任せれば大丈夫そうね 」
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mini(プロフ) - stereogirlさん» コメントありがとうございます(T_T)!更新頑張ります!! (2020年4月20日 21時) (レス) id: 91678dce2b (このIDを非表示/違反報告)
stereogirl(プロフ) - 強い女子と善逸くん、大好きな組み合わせです(笑)続き楽しみにしてます! (2020年4月20日 19時) (レス) id: ebd32c96af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年4月12日 20時