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2人の秘密 ページ8

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「 私ね、4歳までの記憶がないの 」



『 4歳までの記憶…?』





不思議そうに聞く善逸くん。





「 そう。
だから、家族がいたかどうかも何もかも覚えてない。

気が付いたら 森の中で倒れてて
手には着物を握りしめてた。

握りしめてたのはこの羽織。

着物だったのを
アオイが羽織にしてくれたの 」



『 素敵な着物だね。

Aちゃんによく似合ってる 』





優しい優しい顔で
羽織に触れる善逸くん。

なんでかわからないけど、
それだけで涙が出そうになった。





「 家もわからなくて、わかるのは自分の名前だけ。

どこに行ったらいいかわからなかった。

そのまま 街をフラフラしてたら
カナエ姉さんとしのぶ姉さんが
声をかけてくれたの 」





____________





『 こんにちは。
私は 胡蝶カナエと言います。

あなたのお名前は?』



「 花妃…A 」



『 Aちゃん。素敵なお名前ね。

お家はどこなの?ご家族は?』





ぎゅっ…





『 『 っ…!』』



『 姉さん、この子… 』



『 そうね… Aちゃん。
私たちと一緒に帰りましょう?』





____________





「 あの時 姉さんたちが助けてくれなかったら、
私は今頃ここにはいないかも 」





あのまま フラフラと歩き続けて倒れるか
売り手に捕まって どこかへ売り飛ばされたか…





『 じゃあ 俺たちが出会えたのも
しのぶさんたちのおかげってことだね 』



A「 そうだね 」





すると善逸くんは
ぎゅっと私の手を握ってくれた。





『 大丈夫。ちゃんと聞いてる。

だから、無理して笑わないでいいよ 』





きっと音でわかるんだろうけど
私の不安を全て取り除いてくれる。


まだ知り合ったばかりの私に
ちゃんと寄り添ってくれる。


ぶわっと涙が溢れてきて
涙で善逸くんの顔が見えなくなった。



ぎゅっと善逸くんの手を握り返せば、
また強く 握り返してくれる。





「 つらいのっ…

何か本当に大切なことを、
忘れちゃいけないようなことを
忘れてる気がするのに…

全然思い出せないのっ…!」



『 うん 』



「 断片的に出てくるのに、全然わからない…

それが悔しくて、
そんな自分が嫌で嫌で… 」





私が取り乱しても
善逸くんはずっと頷いて

背中をさすってくれていた。









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ひとりじゃない→←優しい人



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設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸   
作品ジャンル:アニメ
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mini(プロフ) - stereogirlさん» コメントありがとうございます(T_T)!更新頑張ります!! (2020年4月20日 21時) (レス) id: 91678dce2b (このIDを非表示/違反報告)
stereogirl(プロフ) - 強い女子と善逸くん、大好きな組み合わせです(笑)続き楽しみにしてます! (2020年4月20日 19時) (レス) id: ebd32c96af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mini | 作成日時:2020年4月12日 20時

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