そばにいるよ ページ35
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ガタンゴトン…
善逸くんの師範のお家までは
少し汽車に乗っていく。
汽車にはあまり人は乗っていなくて、
ほぼ貸し切り状態だった。
桑島さんのお家に近づくにつれ、
不安が増していく。
もし本当に私の半分が鬼だとしたら
私はどうなるの?
鬼殺隊を追い出される…?
みんなも私から離れていく?
また私は…1人になる?
『 Aちゃん…大丈夫? 』
音で私の心情がわかるのか、
善逸くんは心配そうに私の顔を覗く。
そんな善逸くんも 私が半分鬼だと知ったら
離れていくのだろうか。
誰よりも、1番そばにいてほしいのに。
「 …善逸くん 」
『 ん?』
「 もし、これから聞く話が引くような話でも
___善逸くんは、そばにいてくれる…?」
『 Aちゃん… 』
でも、善逸くんには知っておいて欲しい。
大切だからこそ
そばにいてほしい、いたいからこそ
私の全てを知っておいてほしい。
「 いてくれないとしても、
私は善逸くんには知っておいて欲しい 」
どんな言葉が返ってくる…?
怖くて顔を上げられずにいると
ギュッ…
善逸くんの手が私の手を優しく包んだ。
『 …いるよ 』
「 え…?」
『 どんなことがあろうと、ずっとそばにいるよ 』
「 善逸くん… 」
嘘偽りのない言葉。
優しく微笑む姿に、涙が溢れてきた。
『 うぇっ!? Aちゃん!?
ごごごごめんっ…嫌なこと言った…?』
「 ううん…ありがとう善逸くん 」
やっぱり善逸くんがいてくれれば
私はなんだって、乗り越えられる。
____________
『 あそこがじいちゃんちだよ!
あ!じいちゃんいる!じーいちゃーん!!』
桑島さんはわざわざ
家の外に出て 待っていてくれた。
『 師範と呼べ!!』
『 相変わらずだなあ 』
" ホントうるさいからうちのじいちゃん "
そう言いながら笑う善逸くん。
仲良しなんだなあ。
『 よく帰ってきたな 』
『 あ、こちらがあの花妃Aちゃん 』
" あの " って何!? 怖い!
「 今日はありがとうございます。
お会いできて嬉しいです 」
『 …いい子じゃのう。お入り 』
『 …あんな優しいじいちゃん
見たことないよ?俺 』
『 つべこべ言うな善逸!』
『 ひぃっ!!なんで聞こえてんだよぉ 』
善逸くんが育った所に来れて
暗かった気持ちも 少し嬉しい気持ちになった。
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mini(プロフ) - stereogirlさん» コメントありがとうございます(T_T)!更新頑張ります!! (2020年4月20日 21時) (レス) id: 91678dce2b (このIDを非表示/違反報告)
stereogirl(プロフ) - 強い女子と善逸くん、大好きな組み合わせです(笑)続き楽しみにしてます! (2020年4月20日 19時) (レス) id: ebd32c96af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年4月12日 20時