半夜兎の舞姫 2【沖田総悟】

舞姫あっての真選組 ページ40

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春雨との戦いの翌日。


私の目の前には警察庁長官、松平片栗虎と
征夷大将軍、徳川茂茂。

そして後ろには、お兄ちゃん・トシ・総悟の3人。






「 カオスすぎる… 」






今回の騒動の首謀者が私の実の父親という事で
とっつぁんに呼び出される事は予想してたけど…

まさか江戸城で将軍の前に座らされるとは…






『 愛しのAちゃぁぁん。

今回なんで俺に呼び出されたかァ、
頭のイイ Aちゃんならわかってんだろォ？』


「 …今回の騒動の首謀者は私の実の父親です。
処分の覚悟は出来ています 」






最悪 打首。
軽くても牢屋には入れられるだろうな…

真選組追放は免れない。






『 とっつぁん…なんとかならねェか… 』


『 正直、Aがいねェと真選組は成り立たねェ 』






お兄ちゃんとトシの弱々しい声が
後ろから聞こえてきた。

総悟は何も言わず、黙ったままだ。


最後の見送りにでも来てくれたのだろうか。






『 …だってよォ、将ちゃん。いいんだなァ？』


『 あぁ、もちろんだ 』






将軍の言葉を合図に、私の目の前に来たとっつぁん。






『 …真選組追放、投獄 』


「 っ… 」


『『 とっつぁん！！』』


『 … 』






私たちの表情が崩れたのを見て、
とっつぁんはニヤリと笑った。






『 …なんだけどさァ？本当は。
まァ、ほとんど親子の縁は切れてるようなもんだったしィ…

ぶっちゃけェ、ウチの真選組には
Aちゃん居てくれないと困るのよォ 』


「 へっ… 」






驚いた私の顔が面白かったのか、
ぷっと吹き出すとそのまま話し出した。






『 Aちゃんいないと、

ゴリラは心配で騒ぎ出すしィ
マヨは勝手に探しに行くしィ 』


『 ちょ…とっつぁんっ…！』


『 やめろとっつぁん… 』


『 チンピラチワワなんか一番ひでェんだからァ、
機嫌最悪 単独行動ばっかりで
おじさんにまで八つ当たりするんだよォ？』






後ろを振り向けば、
照れながら頭を搔くお兄ちゃんと
顔を真っ赤にして俯くトシ。

そして、照れているのか頭を抱える総悟。






『 だからもう、Aちゃんあっての真選組っつーわけよォ 』


「 とっつぁん… 」


『 つーことでェ、これからもよろしくゥ。
＿＿＿＿＿＿ 真選組司令官さん 』






とっつぁんの言葉にぶわっと涙が溢れ、
慌てて手で拭う。

とっつぁんの後ろの将軍を見れば
優しく微笑んでくれていた。




やっぱり私の居場所は、
大好きな真選組だ。


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