半夜兎の舞姫 2【沖田総悟】

いい女は心も強い ページ23

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『 Aちゃぁぁぁぁん！！！』






そこへ、ボロボロのパトカーに乗った原ちゃんが
酷く焦った様子でやって来た。






『 どうしたんだ原田！！』


『 こっちがすごく押されてて…
このままじゃ全隊潰されちまう！』


『 何っ！！』






下を見れば、確かに私達 真選組の方が押されているのは
一目瞭然だった。






『 …どうしますか ＿＿＿＿＿＿ お姫様 』






ニヤリと笑ってそう言った旦那は、
私がどうするかなんてわかりきっている。






「 …乗せて原ちゃん 」


『 やめろA！！』


『 トシも戻ってきたんだ！
無理をするこたァねぇだろ！！』






引き止めるトシとお兄ちゃんを無視して
メガネくんから無線を受け取る。






「 …こちら司令官 近藤。全車両に告ぐ。
局長の保護は土方、沖田、万事屋に任せる。

他の者は私の指揮の元、
＿＿＿＿＿＿ 真選組を守る為に戦え！」


『『 うぉぉぉぉぉ！！！！』』






無線を通さずとも、下にいる隊士達の声が響いてくる。

並走している原ちゃんのパトカーへ乗り移ろうとすると
パシッと腕を掴まれた。






『 …俺も行く 』






さっきまで向こうの車両で座り込んでいた総悟だった。






「 大丈夫、絶対帰ってくるから 」


『 でもっ…「 総悟 」






私を掴んでいた総悟の手を握れば、
強く握り返される。






「 …信じて 」


『 っ… 』






私のその言葉に、総悟は握っていた手をパッと離した。

そして私はパトカーのボンネットに飛び移る。





一番隊隊長、副隊長という肩書きの私達は
戦いの持ち場が離れるのは初めてだ。

いつも隣には必ず総悟がいた。






『 …必ず帰ってこい 』






だけど不思議と不安ではなかった。






「 もちろんですよ＿＿＿＿＿＿ 沖田隊長 」






守りたいものが明確にあって、
生きて帰らなければならない理由がある。


それだけで十分、戦う原動力になる。






『 ホント、いい女だな アイツ 』


『 …やらねェですぜ、旦那 』









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